ep.16 ページ16
ガサガサ、と人の生活音がする。
薄く目を開くとバスローブからユニフォームに着替えようとしているカイザーがその肉体美を惜しみなく曝け出していた。
上半身だけ持ち上げて目を擦ると私に気づいたカイザーは
ベッドに戻ってきておでこにキスをしてくれた。
「おはようA♡」
『おはよ...』
少し腰がだるい。
ジクジクと違和感を感じる下半身も寝ぼけているせいではない。まだ、思考してない頭をしっかりと起こすには
二人の間に流れる空気が甘すぎる。
「俺、今から朝トレだけどAはまだ寝てていいぜ」
『朝食の支度...ある』
「んーそっか♡頑張れよ」
カイザーは筋肉がたくさんあるので抱きしめられるとあったかい。その熱でまたうとうと、と夢に引き込まれそうになるのを必死で思考を起こした。
◆
昨日は勢いとは言え私らしくなかったな。
カイザーは何にも言わずに私を受け止めてくれたけど、
迷惑だっただろうな。
コンコン
『はい？』
「A昨日どこにいたんだよ」
部屋の扉を開けたら早朝ランニングでも終えたあとだろうか
レオがすごい形相で睨んでいる。
『昨日は眠かったからすぐ寝たわ』
「カイザーの部屋でか？」
しまった見られていたのか。
レオは終始むすっとした顔で私に問いかける。
『見てたのならそう言いなさいよ』
「抱かれたのか？」
ストレートな物言いのレオにわたしはうっ、と顔を赤らめた。昨日のカイザーはすごかった。それはもう慣れているとかその次元ではなかった。
ーー「何も考えねーでいいよ、A♡」
アレは痛み分けだ。
世界一に取り憑かれた私達にしか慰め合えなかった。
『レオの変態。
見てたなら大体察しつくくらいには賢いくせに』
「お前がカイザーを好きならそれでいい」
なにかをぐっ、と耐えたような顔をしたレオは
私にそう言った。カイザーが好き？ううんそれは違う気がする。
『レオにはわかんないよきっと』
「お前な」
私の襟首を握ったレオは悲しそうな顔をしていて
この間見た表情で、まるで誰かに捨てられたような顔だった。
『レオだって彼女の1人や2人居たじゃん
私だけ責められるのは違うよ』
私がそう言うと、それもそうだなとレオは襟首から
手を離して部屋から出ていった。
『(変なレオ)』
それにしても幼馴染に見られてたのは少し恥ずかしい。
そんな気持ちを抱えて私も厨房に向かったのだ。
初恋の人と初めての人
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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜！誤字ってますね〜！指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜！！！ (2023年1月30日 2時) (
レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します！！いつも楽しく読ませてもらってます！！玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜！！あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします！！細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜！外しました！ (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅんた | 作成日時：2023年1月21日 22時
