JUMPの愛され赤色さん。- renewal -

Meow? -cnym- ページ45

Ryosuke side




「ちねん！トリックオアトリート
「なんて言わないよね、涼介？」


「うっ、」




今、完全にダメージ食らった。



あまりの温度差。
恋人とは思えない。



今日くらい、行事に浮かれても許されるかなーなんて、甘かった。



スマホ片手に冷めた目で俺を見る知念。





ハロウィン当日の今日は、
ふたりともたまたま朝から休み。



それを知ったときは、

え、もしかしてこれふたりで仮装しろってこと？

なんて真面目に考えた。


結構真剣に何の仮装をしようかまで考えてたのに。





…どうやら俺のハロウィンは始まる前に終わったようだ。




「ちねん、ねぇ、」



「涼介、ハロウィンって知ってる？
ただ仮装して馬鹿みたいにはしゃぐ日じゃないんだよ。ハロウィンっていうのは、…」





スマホの画面に表示されているであろう、
“ハロウィン”の検索結果をつらつらと読み上げる知念。




ああもうわかったよ、わかったってば！




「ごめんって！さっきのなし！」




背中に隠した

“ネコミミ”

に気付かれないように、
ずるずると知念から距離を取る。




万が一にも、
“お菓子をくれなかった悪戯に猫になってもらおう”
なんて企んでたことを知られてしまったら、
どうなるかわかったもんじゃない。





「涼介、“ハロウィン”したいの？」





こてん、あざとく首を傾げた知念。


ああ、絶対ネコミミ似合うのに。





「したいなら、それつけなよ。

自分で。」





「へ？」




それ？どれ？

…まさか。




「涼介の方が似合うよ。」




いつのまにか俺の背後に回り込んでいた知念は、
ひょいと俺の手からそれを取り上げる。





「ほら、可愛い。」



「え、ちょ、おいっ…！」





上目遣いな知念に可愛いと言われることほど、
恥ずかしいことはない。



知念の方が、何倍も可愛いくせに。





「ほら、そんな不貞腐れた顔しないで。」




「不貞腐れた顔なんてしてねーよ、」



「あれ、ネコはなんて鳴くんだっけ？」




っ、くそ、こんなはずじゃなかったのに。




「りょうすけ？」





＿＿“鳴いてごらん？”





…それを耳元で囁くのは、反則だろ。




「…にゃあ、」



「よくできました。」








Happy Halloween♡

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