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僕の色、君の色。-ybym- ページ36

Kota side



「え、え、あ、うそ、えー?!」



えー?!の叫び声が消える前に、ばたん、と閉められた目の前の扉。
ちなみに俺の家の玄関にて。



「涼介、ちょっとうるさい。」



いやうそ、だいぶ。
そう呟きはしたけど扉の向こうには届いていない。


今日は久しぶりに俺の家に涼介を呼んだ。
最近まともに会えてなくて、そろそろ死にそうだった、真面目に。


本当は気の利いたとこにでも連れて行ってやりたかったけど、なかなかそうもいかない大学生と専門学校生の恋。
結局久しぶりのデートの場所も、俺の家になってしまった。


…もちろん、家は家でいろいろとお楽しみはあるけれど。



「いつまでそこにいるんだよ。」



なかなか入ってこない涼介に痺れを切らした俺は、がちゃりと扉を開ける。



「え?…って、何やってんの、」



てっきり扉の前に立ち尽くしてると思っていた俺は、視界に広がる空間に一瞬動揺してしまったけれど、すっと視線を下に動かすと、へなへなと床に座り込む君。



「いや、あの、…ね?」



わかるでしょ、と言いたげに俺を見上げるけれど、そんなふにゃふにゃになりながら見つめられても可愛いだけですよ。



「おいで。」



そう手を差し出してやると、こくんと頷いて小さい子みたいに俺の後に続いて部屋に入ってきた。
相変わらず可愛いな、おい。


…じゃなくて。



「そんなに驚くこと?」



ソファーに座らせた涼介はこくこくと何度も頷く。



「だって、そんなの聞いてないもん。」



「まあ、言ってないからね。
でも涼介だって、俺に言わずに変えるじゃん。」



「そ、そうだけど!そこまでは変えないし!」



「そこまでって?」



「…急に金髪にしたりなんかしないもん!!」



そう、そうなのだ。俺たちが何を言い争っていたのかというと。



“髪の毛の色について。”



一週間ほど前、俺はなんとなく、衝動的に髪を金色に染めた。
それを今日初めて見た涼介が想像以上のリアクションをしたから、正直こっちが一番驚いた。

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りょんな - なななさん» ありがとうございます!できるだけ更新していくつもりですので、また読みにいらしてください! (2018年7月21日 22時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - おかえりなさい!作品毎日欠かさず見てます!更新がんばってください(*´Д`*) (2018年7月21日 17時) (レス) id: 9722a33cb3 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - いのあやりんさん» ありがとうございます!1年も経っているのに覚えていてくださる方がいらっしゃってほんとに幸せ者です…。更新頑張ります!また見にいらしてくださいね♪ (2018年7月20日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
いのあやりん(プロフ) - おかえりなさい!りょんなさんの作品大好きで、また読めるんだと思ったら嬉しくてついコメントしてしまいました(笑)更新頑張ってくださいヾ(≧▽≦)ノ (2018年7月20日 16時) (レス) id: 927e799c3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りょんな | 作成日時:2018年7月19日 21時

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