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Ryosuke side



伊「山田くん。」



いのおせんせいが、
あの日と同じように俺の名前を呼ぶ。


と同時に、なぜだかここにいちゃいけない
気がしてきて。



伊「ちょ、おい、山田くん!?」



全力で走って、逃げた。


後ろから聞こえてくるいのおせんせいの声も
無視して、サッカー部で鍛えられた脚力を
精一杯使って、逃げた。…のに。



伊「おい、待てって。

涼介!」



いのおせんせいに下の名前で呼ばれただけで、
すぐ止まってしまう俺。


単純すぎる、どうしようもない。



伊「涼介、戻っておいで?」



あぁもう、そんな優しいこえで呼ばれたら、
行くしかないじゃん。


俺はあっさりと方向転換し、
俯きながらいのおせんせいの方へ、
とぼとぼと歩く。


そんな俺を見たいのおせんせいは、



伊「ほら、はやく。」



さっきの優しい声とは違う、
ほんの少し怒ったような声でそう言って。


俺の腕を掴んでぐいっと引っ張り、
俺を保健室の中へと引き入れた。


その細い腕のどこにそんな力があるんだ。


…いや、俺の力が抜けてるだけか。


そんなことを考えている間にも、
いのおせんせいは、
すたすたと俺を連れて歩いて、
ベッドの前で立ち止まった。


そして、



山「ぃっ、た、」



どん、と乱暴に俺をベッドに倒して、



伊「涼介。」



自分も同じように倒れこんだ。


…1週間前と同じように。


こないだと違うのは、



山「っん、せん、せ…、」



いきなりキスをしてきたこと。


突然のことに、頭は真っ白。


そんな俺にいのおせんせいは一言、



伊「涼介、…俺のこと嫌い?」



そう尋ねた。


嫌い?


なんで?


どうしてそんなことを聞くのか、
よくわからないまま、
とりあえず首を一生懸命横に振ると、
今度は、



伊「じゃあ、好き?」



真剣な顔で、そう言った。



山「好きに決まってるじゃ、ないですか…。」



どうして今更、そんなこと。


いのおせんせいが1番わかってるはずなのに。



伊「…よかった。」



ポツリ、とそう呟いたいのおせんせい。



山「いのおせんせ…?」

・→←もう、戻れない。-inym-



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りょんな - なおやんさん» お返事遅れてしまい、申し訳ありません!リクエストなんですが、ただいま停止中なんです…せっかくリクエストしてくださったのに、本当にごめんなさい!!また再開したら、リクエストしてくださると嬉しいです。 (2017年1月20日 18時) (レス) id: aa3235e8dd (このIDを非表示/違反報告)
なおやん(プロフ) - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください!リクエストなんですが薮ちゃんと山田くんの先生×生徒の続編みたいですお願いします (2017年1月14日 16時) (レス) id: bf269602b5 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - 桜さん» ありがとうございます、頑張ってきます!! (2017年1月8日 17時) (レス) id: aa3235e8dd (このIDを非表示/違反報告)
- 受験頑張ってください! (2017年1月8日 16時) (レス) id: 416c1fc175 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - 玲さん» いえいえ、こちらこそありがとうございました!嬉しいお言葉をたくさん…!いつもとても感謝してます!!はい、もちろんです♪また必ずリクエスト再開しますので、待っていてください!! (2017年1月7日 23時) (レス) id: aa3235e8dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りょんな | 作成日時:2016年12月4日 14時

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