彼しゃつ ページ7
買い物帰りの突然の雨。
傘も持たずに出掛けていた俺達は目も当てられないほどびしょ濡れになっていた。
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「愛星、先風呂入れ。風邪ひくといけねーから。」
「え、でも着替えとか…」
「そんなんどうにかなるから、とりあえず風呂行け、風呂‼️」
なかば押し込めるように愛星を風呂場に誘導し、着替えやタオルを準備する。
無論、うちに女性用の服などあるはずがなく…
「ま、これでいいよな。」
準備できたのは俺が常用しているパーカーとスエット。
愛星の服を乾燥機にかけている間だけしのげればいいわけだし。
「愛星ー‼️脱衣場に着替え置いとくから、上がったらそれ着とけな。」
「ごめん、シルク。ありがとう‼️」
扉越しに声を掛けリビングへと戻る。
風呂上がりの愛星を更に暖めてやろうと、
ホットミルクティーの準備を始めた。
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ホットミルクティーができあがった頃ちょうど愛星が風呂から上がってきたようでリビングの扉の開く音がした。
「おまたせー。」
「おぅ、ミルクティー入れたから飲んでい…」
不自然に言葉が途切れたのは愛星の格好が思った以上に破壊的で俺の不埒な心を揺さぶったからだと言っておこう。
「見て〜、シルクの服がおっきくて子どもが大人の服着てるみたいになっちゃってる。」
無邪気な笑顔で俺の心臓わしづかみにするこの小悪魔をどうにかしてほしい。
そして、なにも考えずに服を貸してしまった数分前の俺自身を絞め殺したい衝動にかられる。
「あとね、ズボンぶかぶかでヒモいっぱい締めたんだけどずり落ちてくるからずっと手で持ってんの!」
パーカーの裾をチラリとめくり、その大変さを伝えているつもりなんだろうが俺には服の隙間からチラ見えする愛星の白い腹しか目に入らなかった。
「でもあれだね…こうしてるとなんかシルクの匂いに包まれて、シルクに抱っこされてる気分になる。」
首をすくめてパーカーの襟元に顔を寄せた愛星の爆弾発言が俺の心臓を止めかけた。
「…っ‼️俺も風呂‼️」
赤くなった顔を隠すように愛星の横を通り抜けて風呂場へと駆け込む。
シャワーを浴びながら悶絶していたことは言うまでもあるまい。
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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時