君のとなり�� ページ44
それは愛星が意識不明になってから、１週間が過ぎた頃のこと。
どうしても抜けられない仕事があって、愛星の病院には俺の代わりにダホが居てくれていた。
仕事終わりを見計らったかのようにダホからの着信が携帯を震わせる。
ン｢シルク、愛星ちゃんが…！｣
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全速力で駆け抜けた病院の廊下。
看護師さんに注意された声も聞こえない。
向かうのは愛星が居る病室。
扉を開けた先、ベッドの上に座ってダホに微笑んでいる愛星がいた。
｢愛星っ！！｣
迷う暇もなく彼女の体を抱き寄せた。
久しぶりに腕の中に閉じ込めた愛星の体はまた少し細くなっているように思えた。
ただ彼女が俺の腕の中にいることだけが幸せだった。
ン｢ちょっとシルク、愛星ちゃんびっくりして声も出せないみたいだよ？｣
俺の焦りように安心したように笑うダホの声が聞こえる。
今この瞬間だけは愛星のことを離したくはない。
｢ごめんな、愛星…｣
腕の力を緩めて愛星の顔を覗き込んだところで違和感に気付く。
｢愛星…？｣
｢すみません…どなた、ですか…？｣
不安げに揺れる瞳にはしっかりと俺が写し出されていた。
ン｢愛星、ちゃん…？｣
｢…んだよ。あの時のこと怒っててドッキリでもやろうとしてんのか？｣
愛星がそんなことするような奴じゃないってのはわかってる。
けど、信じたくない真実に俺は気づこうとしている。
｢ダホのことはわかんのか？｣
俺が問い掛ければ、静かに頷いた。
｢マサイとかモトキも？｣
｢はい…｣
｢…俺のことだけ、わかんねーのか｣
誰か嘘だと言ってくれ。
愛星が事故にあったことも、なにもかも。
悪い夢だと言ってほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事故の衝撃で一番強く心に思っていたことを忘れることは稀にあるのだと医者が言った。
｢どんだけ俺のこと考えてたんだよ、バカかよ…｣
病室の外で壁に背中を預け力なく座り込む。
｢生きててくれるだけでいいんだよ…な｣
手を伸ばせばそこにいる。
触れ合う体温の高さを俺は知っている。
見つめる瞳は優しさで溢れていて。
俺の名を呼ぶ声は温かい。
君は一番近くにいるはずなのに、一番遠い。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
“あいしてる”の言葉がお前に届く日はもう来ないのだろうか。
※もう少しお付き合いください
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愛星(プロフ) - 星空夢月（ダホマサモトシル）さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (
レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか？ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます！悶える…最高の褒め言葉です！ゆっくり更新ではありますが、これからも２人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました！悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます！私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と｢好き｣を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします！ (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛星 | 作成日時：2018年12月26日 5時
