君のとなり�� ページ42
｢今日はハンバーグだよ｣
慣れた様子でキッチンに立つ愛星。
｢どしたの、シルク。なんか様子が変だよ？｣
いつもだったら、ウザいと言われてしまう程ひっついてくる俺が動かないことに違和感を感じたのだろう。
心配そうに見上げてくる瞳が今は少し憎らしい。
｢今日お前なにしてた？｣
ようやく声になった言葉はどこか重く、痛い。
｢…なにって、別に。友達とご飯行ってた｣
ここで正直に言えば俺だって黙って受け入れられたのかもしれない。
なのに、こいつは隠そうとしたのだ。
｢マサイんとこに居たんじゃねーの？｣
｢…っ｣
初めて愛星に向けた敵意と怒り。
彼女は怯えていた。
｢なんで嘘つくんだよ。正直に言えばいいじゃん。マサイと付き合ってるって｣
｢ちがっ…！｣
｢お前達、お似合いだと思うよ。マサイは俺なんかよりずっと優しいしお前のこと幸せにしてくれるよ｣
｢ねぇ、ちゃんと話聞い…｣
｢先に隠したのはお前だろ？｣
仕事が進まないイライラや俺の不甲斐ない態度に対するイライラ。
要するに八つ当たりだって自分でもわかってる。
目の前では、愛星がその瞳いっぱいに涙をためて俺を見つめていた。
愛星がなにかを言おうと口を開いた瞬間。
真実を聞く勇気がなくて、俺の声でその言葉を遮った。
｢実は俺もさ、彼女…できたんだよね｣
それは勿論、嘘だった。
愛星以外の女なんて見たくもねぇよ。
｢シルク…？｣
｢だから、こうやって俺んとこ来られても困るわけ。勘違いされたくねぇの｣
｢だって、この前キス…｣
｢あれ？お前本気にしてたの？冗談に決まってんだろ、あんなの｣
嘘を見破られたくなくて俯いた。
だから彼女の頬に涙が伝ってるなんて気づかなかった。
｢私のこと抱き締めてくれたのは？｣
｢そんなん友達同士でもすんだろ、普通に｣
｢そ…っか、そうだよね。シルクが私なんか…｣
消え入るような声に胸が締め付けられる。
そう、俺はいつもお前を泣かせてばかり。
これが潮時ってやつなのかな。
これ以上お前のこと縛りつけとくことなんて、出来ねぇよ。
｢私、ほんとは…｣
なにかを言いかけて愛星は部屋を飛び出して行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空っぽになった部屋。
まだ少しだけ、愛星の匂いがする。
｢結局言えずじまいかよ｣
バカだよな。
こんなバカだから、お前のこと捕まえてらんねぇんだよ。
※次話に続きます
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愛星(プロフ) - 星空夢月（ダホマサモトシル）さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (
レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか？ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます！悶える…最高の褒め言葉です！ゆっくり更新ではありますが、これからも２人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました！悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます！私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と｢好き｣を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします！ (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛星 | 作成日時：2018年12月26日 5時
