俺だけを見ろ ページ31
愛星の日課は寝る前に本を読むこと。
小難しいミステリー小説だったり、流行りの恋愛小説だったり、はたまた甘ったるそうな少女漫画だったり…。
普段はコンタクトを着けている愛星が風呂上がりにリラックスした格好でメガネをかけて本を読んでいる姿はなかなか貴重で、それをじーっと見ることが俺の毎晩の日課になっていたりもする。
日課は今日もしっかりと果たされていて、どうやら今夜は若者達の間で流行ってるらしい王道ラブコメ漫画を読んでいるようだ。
静寂の中、ページをめくる音だけがわずかに響いている。
そろそろ日付も変わる頃。
本をそっと閉じた愛星がメガネを外した。
｢それ、おもしろかったか？｣
タイミングを見計らって声を掛ければ、ようやく互いの視線がぶつかり合う。
｢すっごい、きゅんきゅんした｣
とろけるような笑顔で答える愛星に俺の方がきゅんきゅんするわ…なんて言えるはずもなく。
何事もなかったかのように床の上で体操座りをする愛星の隣に腰をおろした。
｢ヒロインの女の子がね、好きな人から壁ドンされるシーンが最高だった！｣
興奮気味に漫画の感想を語る愛星。
漫画の世界とは言え、他の男にときめいているこいつの姿を目の当たりにするのはなにやら納得いかないのが俺の性分。
そして、いたずらしたくなるのも俺の性分だ。
なにも知らずに油断しきっている愛星に仕掛けるのは難しいことではなかった。
｢愛星｣
｢へ…？｣
名前を呼んでこっちを向いた瞬間に軽く肩を押せば、愛星は簡単にバランスを崩し仰向けに転がった。
｢俺、壁ドンより床ドン派だから｣
すかさず愛星の顔の横に両手を付き逃げられない状態に追い込むと、愛星は声にならない声を上げ即座に顔を真っ赤に染めていく。
｢あんま油断してっと、食っちまうからな｣
細く頼りない両腕を拘束するのは片手で十分だった。
｢嫌なら抵抗しろよ｣
なんて、離してやる気なんてサラサラねーけど。
｢…嫌じゃ、ないもん｣
愛星が小さく呟いて、俺が満足げに笑う。
｢後から文句言うんじゃねーぞ｣
互いに目を閉じてそれが合図となる。
愛星の頬に片手を添え距離を縮めようとした瞬間…
ン｢シルク、めしー！｣
ムードの欠片もないバカでかい声と扉の開く音が聞こえてこめかみがヒクリと動いたのを感じた。
マ｢あ…やべ｣
モ｢おじゃましました｣
気まずい雰囲気が流れ、愛星がパタパタと寝室へ逃げ込む。
｢お前ら全員デコピンな｣
.
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愛星(プロフ) - 星空夢月（ダホマサモトシル）さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (
レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか？ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます！悶える…最高の褒め言葉です！ゆっくり更新ではありますが、これからも２人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました！悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます！私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と｢好き｣を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします！ (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛星 | 作成日時：2018年12月26日 5時
