甘さに牙 ページ27
｢シルク〜、ちょっと来てー！｣
｢あいよ〜｣
ある昼下がりの午後。
なにやら騒がしく俺を呼びつける愛星の声。
適当に返事をしながら、部屋の扉をノックして入室した。
｢どした？｣
｢今度友達の結婚式に着てくパーティードレス買ったから試しに着てみてるんだけどどう？｣
言われてみればいつもとは違う雰囲気をまとった愛星がそこにはいた。
パステルカラーのドレスをなびかせながら、クルリとその場で回る愛星を見て思わず頬が緩む。
｢あ！あと、後ろのチャックが自分じゃ閉めれなくて。シルク手伝ってくれる？｣
おもむろに俺の前に背中を向けて立つ。
｢へいへい…｣
その言葉に従って愛星との距離を詰めたところで自分の浅はかな行動に頭を抱えることになるとは露とも知らずに。
｢当日もシルクにチャック係お願いするからね｣
無邪気に笑う愛星。
閉めやすいようにと手櫛で上げられた髪の毛の間から覗く細い首筋と甘く香るうなじ。
ドレスの隙間に見える白くて華奢な肩甲骨。
見るなと言う方が無茶で計算ではなく天然でやってのけるのだから余計にタチが悪い。
｢シルク？｣
暫く沈黙の時が流れ違和感を感じたのか首を傾げて俺を見上げていた。
｢あ？｣
それを合図にしたように俺も慌てて動き始める。
｢結婚式まで１ヶ月あるから、その間にダイエットしなくちゃなぁ…｣
独り言のように呟かれた言葉。
｢これ以上どこ減らすんだよ。消えてなくなるつもりか？ちっとぐらいダホにわけてもらうぐらいでちょうどいいんじゃね？｣
何事もなかったかのように笑いながら会話をしているが小さなチャックの金具を持つ俺の指先は少し震えていた。
｢うーん…腰周りとか？｣
言われた箇所に思わず目をやるが特段気にする程でもなく、その細さに逆に心配になる。
｢今のままで十分可愛いから｣
自然と出た言葉に驚いた表情が俺を見つめていた。
｢…照れる｣
一瞬にして赤く染まった頬を隠すように俯いた愛星の姿を見て、俺のいつもの悪い癖が顔を出す。
｢俺が力入れたら折れちまいそうだし、これ以上可愛くなったら他の男が寄ってきてめんどくせーだろ｣
愛星の腰に手を回し軽く抱き寄せて白い首筋に誘われるように唇を寄せた。
｢俺以外の男のとこ行ったら、この首噛みちぎるかんな｣
｢……っ！｣
痛くない程度に歯を立てれば次の瞬間には愛星は俺の腕から逃げ出していた。
｢やっぱ愛星あめぇわ｣
一人取り残された部屋で満足気に笑った。
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愛星(プロフ) - 星空夢月（ダホマサモトシル）さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (
レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか？ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます！悶える…最高の褒め言葉です！ゆっくり更新ではありますが、これからも２人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました！悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます！私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と｢好き｣を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします！ (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛星 | 作成日時：2018年12月26日 5時
