苦くて甘い�� ページ23
シルクの家に上がると、机の上にはさっき見たピンクの可愛らしい袋が置いてあった。
特に触れることもなく黙って座れば温かいミルクティーが差し出される。
｢外寒かったろ。｣
ごく当たり前のように私の横に腰を下ろすシルク。なんだかこの距離感が今は苦しい。
悟られないようにあまりシルクの顔を見れずにいた。
｢なぁ、今日なんの日か知ってっか？｣
それでも顔を覗き込まれれば嫌でも目が合ってしまう。
｢バレンタイン…｣
消え入るような声で答えれば手に持っていたティーカップを奪い取られて、向かい合わせでシルクの膝の上に抱っこされた。
｢愛星から俺にチョコくれねーの？｣
｢シルクは他の人からいっぱいもらうでしょ。だから私からのなんていらないと思って準備してないよ。｣
ごまかすように笑って突き放すようにシルクの胸を押し返せば、その手を捕まれてしまう。
｢いつ俺がいらないって言った？愛星からのチョコしかいらねーよ、バカ。｣
｢だって、あれ…｣
机の上にちょこんと置かれた袋を差せば、何故だか彼は笑い出してしまった。
｢なに勘違いしてんだよ。あれは動画用。メンバーにドッキリ仕掛けるためにいとこにわざと不味いやつ作ってもらったの。俺用じゃねーし。｣
｢へ…？｣
｢嫉妬、した？｣
意地悪く笑ったシルクに動揺を隠せない私。
｢なぁ、俺のチョコは？｣
｢だから、ないって…｣
｢指…なんでこんな怪我してんの？｣
絆創膏の上からギュッと捕まれ、痛みに眉をしかめる。
｢シルクにチョコ作ったけど、あんまり上手にできなくて。いとこちゃんからチョコもらってるとこ見てなんかモヤモヤしてもう捨てちゃおうって思って、コンビニのごみ箱の前で悩んでたらダホちゃんに会って、それで…｣
そこまで言ったところで頭を抱え始めたシルク。
｢まさか、あいつに渡したとか言わねーよな…｣
無言で頷けば脱力したシルクが私の肩に顔を埋めていた。
｢ごめん…｣
｢マジありえねぇ。しかも俺のためにこんな怪我してんだろ？バカかよ…。｣
怒ったような悔しいようなそんな複雑な表情を浮かべて絆創膏の上から傷口をさすってくれる。
｢今度また作ってあげるから。｣
｢いや、また怪我されたら俺が嫌だからチョコは我慢する。その変わり…｣
耳元で聞こえた悪魔の囁き。
願いを叶えてやれば彼は満足げに笑っていた。
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(愛星からほっぺにチューして)
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愛星(プロフ) - 星空夢月（ダホマサモトシル）さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (
レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか？ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます！悶える…最高の褒め言葉です！ゆっくり更新ではありますが、これからも２人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました！悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます！私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と｢好き｣を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします！ (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛星 | 作成日時：2018年12月26日 5時
