しるし(↑の続き) ページ13
月夜の光に照らされている俺たちの姿はなにも知らない奴らから見たらどんな風に映っているのだろうか。
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「で、誰と飲んでたわけ?」
「んーとねぇ…高校の時の友達のまーちゃん‼️」
酔っぱらって思考停止しかけてる愛星に聞いてみたところで、果たしてまともな返答は返ってくるものかと頭を悩ませたものの無言で歩くわけにもいかず適当に会話をふってみれば意外と普通に会話ができて少々驚いていた。
「あー…あの俺も何回か会ったことある?」
なんとなく聞き覚えのある名前だが、容姿こそはあまり思い出せない。
「そうそう!まーちゃん今度結婚するんだって。」
おんぶしててその表情は見えないけど、きっとこいつは自分のことのように嬉しそうに笑ってるはず。
「へー…」
愛星の笑顔を想像してついついにやけてしまいそうになる俺の表情を悟られないようにあえてそっけなく返事を返した。
「左手の薬指にね、キラキラ〜って綺麗な指輪してたんだよ。」
俺の目の前になにもついていない細い指先をヒラヒラと泳がせる。
いつか、お前も誰かのものになってその華奢な薬指に似合う指輪をはめるのだろうか。
俺以外の男の前で溶けそうなほど甘い顔で笑うのだろうか。
そんなん、想像しただけでハラワタが煮えくりかえりそうになっちまう。
「俺以外の男のもんになんてさせねーよ…」
俺の小さな声はまだこいつには届かない。
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家に着く頃にはすっかりしゃべり声も聞こえなくなり、目を閉じている愛星がいた。
起こさないようにそっとベッドに降ろす。
この無防備な顔をいつまででも見つめていたい。
俺もベッドに横になり静かにその体を背中から抱き寄せた。
「指、細すぎんだろ。」
背後から手を取り指先をたどれば折れてしまうんじゃないかと心配になり一人苦笑する。
「愛星のここ、予約しとくから。ぜってー、どこにもいくんじゃねーぞ。」
左手の薬指の付け根に唇を寄せきつく吸い付けばほのかに赤色に染まった。
はたして、こいつは気付くだろうか?
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朝目を覚ませばいつものようにシルクに抱き枕にされた状態でベッドの上にいた。
昨夜の友達の報告を思い出しふと自分の左手の薬指を見つめてみると、違和感。
「…虫さされ?」
赤色に隠された真実を私はまだ知らない。
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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時