シャンプー ページ2
「愛星ー‼️」
「はーい、なにー?!」
「シャンプー取ってー。予備がそこらへんに置いてあっと思うから。」
数分前に着替えを手に姿を消したシルクを見送ってから、夕飯を食べ終えて空になった皿を片付けていると浴室から間延びした声が聞こえてきた。
「どこにあんの?自分で取りに来なよー。」
脱衣所まで足を運び、浴室のガラス戸越しにでもわかる筋肉質なシルエットに声を掛ける。
「頭からお湯かぶった瞬間気付いちまったわけよ。今、脱衣所出てきたら床水浸しにすっからな。」
「もー…ストックどこにあんのさー。」
「え、その辺の棚とか入ってねーの?」
「3周ぐらい探したけど見当たりません、たいちょー。」
「あー…そういや、最近ストック買った記憶ねーや。」
シャンプーのストックの行方を探し、あきっぱなしになってしまったいくつかの扉をすべて閉じ浴室の扉に手をかける。
「そこに私のシャンプーあるでしょ?」
数センチの扉の隙間から申し訳程度に覗く水の滴る背中越しになんとも乙女らしいピンクの花柄のパッケージの容器が顔を覗かせる。
「とりあえず、それ使っていいから。」
「おー、さんきゅー。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜数分後〜
「なんかすっげ、女子の匂いする。」
お風呂上がりのシルクが肩にタオルをかけたまま、おおげさに鼻を鳴らしながらズカズカとリビングへ足を踏み入れる。
「女子のシャンプーですから。」
ソファーに腰かける私の横に当たり前のように腰をおろしたシルク。
ほんのりと赤に染まった頬は彼の表情を上機嫌に見せた。
「愛星と同じシャンプー使ったわけじゃん?」
「ん?」
「同じ匂いすんのかなぁと思って。」
"ニシシ"といたずらっ子のように笑うシルクにときめくなと言う方が無理なことで…。
照れ隠しにフッと顔を横にそらすと、おもむろにシルクの手が私の頭へと伸びてくる。
「なんか、愛星の方が甘ぇ匂いすんのな。」
男らしい武骨な指が触れた私の細い髪の向こうには少し前のお風呂上がりの彼の頬より赤く染まった、小さな耳が見え隠れしていたに違いない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ン「あれ?シルク、シャンプー変えた?なんか嗅いだことのある匂い…。」
シ「おまえは犬か。うちのシャンプーのストックなかったから愛星のシャンプー使った。」
ン「(なんでシルクの家に愛星ちゃんのシャンプーが…?)」
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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時