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抱き枕 ページ1

朝目覚めると隣に眠る幼げな表情の女。
こいつは俺の彼女ではない。

「愛星」

名前を呼んでみるも無反応。
ま、寝てるから仕方ねーか。

「しっかし、無防備な顔だこと。」

こいつ、俺以外にもこんな顔見せてんのか?
と、想像するとなんとなくモヤモヤする心臓。

「起きねーとイタズラすっぞ。」

耳元で囁くも当の本人は小さな寝息を立てるばかりか、安心しきったように俺の胸元にすり寄ってくる始末。

俺のイタズラ心がむくむくと起き上がる。

愛星を腕の中に抱いたまま、起こさないようにそーっと自分のスマホに手を伸ばしアプリを起動させる。

「起きねー愛星がわりぃんだからな。」

まだ深い眠りの中を緩やかに漂う彼女の耳に果たして俺の声は届いているのだろうか。

心地よい体温を腕の中に抱きながら、俺もまた深い眠りの中へと誘われる感覚に目を閉じる。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ン「シルクからなんかLINE来てるけど…」

マ「え、なにどした?」

ン、マ、モ「「「俺の抱き枕…?」」」

ン「って、えぇぇぇえ?!」

なんとも無愛想な一言と一緒に添えられていたのは破壊力がすさまじい男女のツーショット写真。

シルクが愛星ちゃんを背後から抱き寄せて、
肩のあたりに顔を埋めている。

モ「これで付き合ってないって言うんだから信じらんないよね。」

マ「こりゃ、あとで愛星ちゃんから鉄拳くらうな。」

ン「ま、でもシルクのこのゆるんだ顔見たら愛星ちゃんも戦力失せるんじゃない?」

モ「なんやかんや、愛星ちゃんシルクに甘いからねぇ。」




そんな会話を交わしていた1時間後。
俺たちの前に姿を現したシルクの頬にはうっすらと小さな赤い手形の跡が見え隠れしていた。


マ「結局やられてんじゃん(笑)」

シ「うっせ‼️黙れ‼️」

モ「ま、朝からいい思いしたんだからそれくらいの報復があっても文句言えないよねー。」

シ「ちょっとプリン買いに行ってくる。」

ン「お詫びにプリンまで買いに行かされてる…‼️」


ぶすくれた表情で玄関をあとにするシルクの後ろ姿に笑いをこらえきれなかった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「もう、ほんっと信じらんない‼️」


なんて怒ったフリでもしなければ、
シルクはきっと調子に乗るから。

そっとテーブルに置いた私のスマホのロック画面がさっきのツーショットだなんて。

まだしばらくは教えてあげない。









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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時

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