恋色ストロベリー【妖怪ウォッチ】 (ページ17)

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【12】愛はいつか太陽神エンマページ17

ASide

『お邪魔しまーす』

「お、Aじゃないか。なんだ、暇だから来たのか？」

『うん、まあね』

昼間のエンマ宮殿。

私は、太陽神の部屋にお邪魔している。

太陽の力を体に宿した彼は、私の彼氏だ。

「紅茶淹れてくるから、そこ、座ってろ」

『うん』

私は、椅子に座って、太陽神が紅茶を淹れるのを待つことにした。

数分後。

「はいよ」

湯気が立つ紅茶が提供された。

両手で包むように持つ。暖かい。

一口、飲んでみる。

『美味しい…。ありがとう太陽神』

「どういたしまして」

どうやら太陽神は飲まないらしく、紅茶のカップは一個だけしかなかった。

つまり、私が飲んでいる分だけだ。

『…ん？はぁ……げほっ……』

私は異変に気付いた。

何かがおかしい。息が苦しい。

それに、もう一つおかしいことに気がついた。

目が痛い。

チクチクした右目がやがてズキズキして来た。

『ね…ねぇ…た、太陽神…』

「なんだ？」

突然倒れこむ私を太陽神は哀れそうな目で見ている。

『何か……仕込んだでしょ…！？』

はぁはぁと荒い息を繰り返しながら太陽神に問う。

「はぁ…気づいたか。ま、その方が良かったけどな」

『げほっ……げほっ……』

咳が止まらない。咳をすることでしか、呼吸ができない気がする。

「紅茶にな…薬を仕込んだんだよ」

苦しすぎて太陽神が言っていることがわからない。

目が痛い。助けて、助けて…。

激痛がはしって、言葉なんて聞き取れない。

「ハハ…苦しんでる顔も可愛いなあ…A？」

『触らないでっ！』

伸ばされた太陽神の手を弾く。

「なんで…？どうして触ったらダメなんだ？オレの彼女なんだから触ってもいいよな…？」

『やめて…』

太陽神の言葉が私の耳に届く。

耳をふさぎたいのに、激痛のせいで耳を塞げない。

「…痛みでまともに答えられないよな？ハハハ、良いじゃないかそういうのは！！」

涙が溢れてくる。

痛い、苦しい。

「なあA。オレにはお前しか見えない。わかるか？どれだけAが好きだったか」

『わかん……ない』

「そうか。だったら教えてやるよ…！」

続きます