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暗黒神Side

誰かが海に落ちようとしているのが見えたオレはそいつが落ちる前に服を引っ張った。

そのおかげで、そいつは救われた。そいつって言うよりも、名前があったな。A。

『…なんで止めたの』

「…死んでほしくないから」

『そんな簡単な理由?じゃあさ、殺してよ。あなたの手で。ほら、平気でしょう?』

Aは両手を広げ、オレを歓迎するかのような顔を見せた。

昔の頃の、狂気を思い出す。

そう、禁忌をおかして妖怪たちが全部全部消えたあの日。

でも。今は違う。友達だっているし、平然と殺してはいない。

「ダメだ。そんなことできない」

オレは首を横に振る。

『なんで』

「Aはまだ子供だ。人生には楽しいこともある。つらいことだけじゃない。オレだってつらいことはあった。神だろうがそんなことぐらいある」

『…』

Aは黙り込んだ。

「それに、昔のオレなら殺していただろうな。でも、今は違う」

『私は愛されてないの…。わかる…?』

Aの頰を涙が伝っていく。

愛されていないのなら。

そう思ったオレはAを優しくそっと抱きしめる。Aは少し驚いていた。

「愛されてないのならば、オレが愛してやる。嫌というほど…な」

『…ひぐっ…うぅ……』

Aはオレの胸の中で泣いてしまった。

つらかったんだろう。

誰にも愛されず、誰も信用せず、自分だけの世界に閉じこもって。

人は寂しければ変わってしまう。

たとえ、オレのような神だったとしても。

愛されないことも同じだ。人を、その人生を暗闇に突き落とす落とし穴のようなもの。

オレは、Aが泣き止むまでずっと優しく抱きしめていた。

Fin

【12】愛はいつか 太陽神エンマ→←【11】愛されなかった少女は 暗黒神エンマ



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設定タグ:妖怪ウォッチ , 短編集 , 神エンマ   
作品ジャンル:恋愛
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獄夢桜@時空神マジ尊い(プロフ) - 鈴錬さん» 承諾しましたー!気長に待っていただけると嬉しいです。 (2018年12月17日 20時) (レス) id: b6dcafd39c (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 獄夢桜@時空神マジ尊いさん» じゃあ、日ノ神とかかけますか?甘あたりでおねがいします! (2018年12月17日 20時) (レス) id: 741c191d66 (このIDを非表示/違反報告)
獄夢桜@時空神マジ尊い(プロフ) - 鈴錬さん» 書けますよ。時空神様とか書いてますしね。 (2018年12月16日 17時) (レス) id: b6dcafd39c (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - エンマ大王以外かけたりしますか? (2018年12月16日 16時) (レス) id: 741c191d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:卯月@時空神マジ尊い | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月16日 20時

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