プチ炎上 2 ページ34
｀まさか打ち上げに参加したの？ 違うよね？´
｀単純にキモイ´
｀この間のサインボールといい、いい加減にして´
｀写真は上げなかったけど前回のライブ、楽屋にも行った様な事つぶやいてたよね´
｀匂わせでもしてるつもり？ 必死で草´
個人のSNSや掲示板の書き込みに圧倒されるA。
(写真や書き込みって、ユノさんとかも見てるのかな？)
そんなことをぼんやりと考えていた。
「Aちゃん、どうかした？」
店内へ戻ろうとした店長が固まっているAに気づく。
「え？ あ、いや、何でもないです。なんでそんな事するのか理解できなくて」
「そうよね。
こういう事すると優越感でも得られるのかしらね？
Aちゃんだったら、こういう事したい？ 匂わせ？」
「したいとは思いません。秘密は秘密のまま守りたいです」
「あら、なんだかリアリティー感じるわね」
「え！？ いやいや、あ、男の人から見たらどう思いますか？」
少々焦ったA。
「うーん、やっぱりなんで見せびらかしたいのか理解はできないわね。
何が面白いのかしら」
「・・・ホントに」
「ま、これはこの子が一方的にしてる事だから気にしないのが１番だけど
ファンからしたら気分は良くないわよね。
削除したって事は、この子も会社からお叱り受けてるかもしれないし。
そのうち収まるでしょ、熱愛のパパラッチな訳じゃないから」
「・・・」
「あ、明日行くのよね。気にしないで楽しんで来て」
「ありがとうございます」
店長が微笑み応えた。
「あの、店長は今回のツアーいつ参戦するんですか？」
「僕？ とりあえず地元待ちね。もうちょっと先だから待ち遠しいんだけど、
その楽しみが待ってるから今日も頑張れるのよね」
「一人で参戦ですか？」
「奥さんと行くのが恒例なの。たまのデートの代わり？」
「へぇ〜、素敵ですね」
「Aちゃんも、トンに夢中になるのはわかるけど
彼氏に愛想つかれないようにするんだよ？」
急に男らしいお兄さんモードで言う店長。
「なんで急に雄々しくなるんですか////」
見慣れないからAは少々照れ臭かった。
「だって心配だから」
「はい、気をつけます」
少しぎこちなく微笑んだA。
「さ、仕事に戻りますか」
「あ、すみませんお邪魔しちゃって」
「全然。気を付けて行って来てね」
「はい、お先に失礼します」
Aは店長に会釈すると店を後にし、地下鉄の駅を目指した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
