タイムライン ページ32
そうして東方 神起のツアーは始まった。
私は一旦平凡な日常に戻り、休みを取った分を取り返すつもりで仕事に勤しみ、
東方 神起は一旦韓国へ帰った後、再び来日しての地方公演の予定。
SNSでは帰国や出国の空港写真で沸いている。
今回お留守番組の私は同じく、UPされた写真を見ながら地下鉄に揺られ帰宅。
「元気そうでよかった」
穏やかに微笑んで空港内を歩く姿、動画でそれを見て安心した。
電話やメールは時々してるけど、それとは違う動いてるユノさん。
ひとりのファンとしても日本へ来てくれる事に心が躍る。
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入浴を済ませてのリラックスタイム。
スマホを開いて東方 神起のタグなんかを辿ってみる。
「あ〜、こんな事してるとキリがない」
ライブを待ち望むファンの声、上がる写真などで溢れるタイムラインに手が止まらない。
「？」
ふと書き込みが目に入った。
｀ユノのサインボールだ・・・´
｀チャン ミンのファンじゃなかったの？´
｀あれ、匂わせでもしてるつもり？´
「匂わせ？」
少しして出て来た画像は、どうやらその話題になってる元の書き込みらしかった。
そこに写っていたのはユノのサインボールと、｀ありがとう♡´の文字。
｀関係者席にいたあの人の方向にたまたま飛んでっただけでしょ？´
｀すっごい勢いでゲットして騒いでたらしいよ。関係者席近かった子が見たって´
｀必死じゃんwww´
「関係者席・・・。元アイドルの人？ そう言えばすっごい喜んで騒いでたっけ」
その場面を思い出した。
「芸能人の人でもこういうのUPするんだぁ・・」
思わず呟く。
そしてふと蘇った瞬間の記憶。
━「私を誰だと思って・・」
口調、視線・・・。
思わず振り切る様に頭を振ったA。
(同じ歌番組に出た経緯もあって特別に招待されたって、
もう会う事もないから心配ないですよって、マネージャーさんも言ってた)
「・・気にしない、うん、気にしない」
モヤモヤっとした感情が沸き、再び頭を振った。
「ん〜、私もこんなのゲットしてみた〜い。
だけど私、ホントこういうの縁がないんだよねー」
気持ちを切り替えるかの様にAは両手をあげ伸びをした。
そして、一部界隈のざわつきも関係ないかの如く、地方公演が始まると盛大に盛り上がり
SNS上は再び、歓喜の声で溢れかえった。
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作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
