2日目 ページ25
━朝
「ん・・」
目を覚ましたAが布団の中、モゾモゾと動いた。
「おはよう、起きた?」
声のする方を見ると、スマホを手にユノがベッドに腰かけている。
「???」
何か戸惑っている様子のA。
「? どうかした?」
「あの・・今、夜ですか? 朝ですか?」
「ん?」
「えっと・・、お風呂出たらユノさんがそこに座ってて、隣に座って・・
今もそこに座ってて、今はいつなのかな?・・と」
どうやら寝落ちする前に見た状況と同じユノに、寝起きの頭が混乱した様だった。
「あははっ、朝だよ」
「私は・・いつ、ここに?」
Aは顔を半分隠す様にしてユノに問う。
「抱き合ってたらAちゃんが僕の腕の中で眠っちゃって」
「え!?」
「!?」
凄く驚いた様な声を出したAにユノも驚いた。
「何? どうした?」
「いや、あの・・もしかして私、失礼なことを?」
「ん? 失礼って?」
布団に潜り隠れたA。
「あの・・、その・・途中で寝ちゃった、とか?」
「途中?」
「キス・・したのは・・覚えてますが・・抱き合っ・・て、その・・」
Aの言いたい事を理解したユノがイタズラな目をした。
「あー、覚えてないんだ」
「ぇ・・」
「Aちゃん、酔うと積極的になるんだね」
「////」
「あんなに僕を誘惑して・・」
「やっ! してませんしてません! そんなことっ・・!・・」
慌てて布団から顔を出すと、目の前にユノの顔があった。
こっそりと近づいていたのだった。
「思い出したの?」
ジッと真っ直ぐにみつめている黒く艶やかな瞳。
「・・怒ってる?」
「怒ってないよ、どうして?」
ユノもベッドに寝転がり、肩ひじついてAに向き合った。
「寝ちゃったから・・」
「仕事もして来たし、疲れてたんでしょ?」
「でも、ユノさんの方が疲れてるのに先に寝ちゃって・・、しかも‥途中で」
「あははっ、それは違うから大丈夫。それにAちゃんの眠るかわいい顔、たくさん見れたし」
「え//// それはそれで恥ずかしいです」
顔を伏せ目を逸らしたAの頬に、ユノの左手が伸びた。
そっと自分へと向かせ優しく微笑むユノにAも微笑み、みつめ合う2人。
ユノが顔を近づける・・・
「あっ」
何か思い出した様にAが目を開いた。
「ん?」
『もしかして・・』
『何が・・』
「き・・」
「き?」
「・・・肉」
「え・・」
「え?」
「え?」
『まさか!?』
Aは口を押えた。
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作者名:カホル | 作成日時:2021年6月3日 16時