小悪魔？ １ ページ22
宿舎にチャン ミンを先に送り届けてからAの宿泊先へ向かう事となった。
宿舎の駐車場に着くと、カバンを手にしたチャン ミン。
「ヒョン、いいですか？ ３daysですからね」
「わかってるよ」
後部座席で睡魔と戦っていたAは車の揺れにすっかり落ちている。
それを確認してからチャン ミンが続けた。
「禁欲ですからね」
「！ 聞こえちゃうってっ」
慌ててユノがAを振り返る。
「・・・はい」
寝ぼけ声が聞こえた。
「ほら〜っ！」
チャン ミンもAの様子を伺う。
「Aちゃん、聞こえちゃった？」
「はいっ、聞こえましたっ」
ポヤポヤしながらも元気に答えるAに焦るユノ達。
「筋肉ですね！」
「へ！？」
「きんにくっ！」
何故か筋肉ポーズまでして答えたA。
「・・・ぷはっ」
車内は笑い声に包まれた。
「任せてください、筋肉、頑張ります」
「っwww・・じゃあ、ヒョンをよろしくお願いしますね」
「はいっ、お疲れ様でしたっ」
ペコリと頭を下げるA。
「じゃあヒョン、頑張ってください、筋肉」
「わかったよ///」
イタズラな瞳で肩を震わせながらチャン ミンは建物の中へと消えて行った。
ユノは恥ずかしそうに手で両頬を押え、Aを振り返った。
当のAは再び夢の中。
「出発するぞ」
マネージャーが声をかける。
「ちょっと待って」
ユノは急いで後部座席へと移りAの隣に座ると、その頭を自分の肩へと傾けた。
それを見届けるとマネージャーがアクセルを踏み込んだ。
「後で自分の発言に気づいたら驚くだろうね」
マネージャーがミラー越しに言う。
「ふふ・・そうだね」
優しい眼差しでAをみつめるユノ。
揺れて倒れないようにそっと肩を抱いた。
━ホテルの地下駐車場に到着した車。
「Aちゃん、着いたよ」
「ん・・え、わぁ！ ごめんなさい！ 寝ちゃって！」
ユノにもたれ眠っていた事に気づき大慌てのA。
「目、覚めた？」
「はいっ！ もうバッチリ！」
「あははは」
「え、と・・、すみません、送って頂いたのに眠ってしまって、本当にすみません」
今度はマネージャーに謝るA。
「大丈夫ですよ、お疲れのようなのでゆっくり休んでください」
「ありがとうございます。お疲れ様でした」
Aはペコリとすると急いで車を降りた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
