忘れ物のスマホ 2 ページ19
マネージャーが歩いていくと、ちょうど向こう側から警備員が歩いて来た。
マネージャーが声をかけ、やり取りしているのが見える。
離れた場所で見ているユノとA。
ふとマネージャーが振り返った。
「なんだろ？」
顔を見合わす２人。
「何かあったんですかね？」
ユノが歩みだしてAも後をついて行った。
「どうかしたんですか？」
警備員「あ、お疲れ様です」
声をかけたユノに警備員が挨拶をし、ユノも頭を下げた。
マネ「このスマホを預けようとしたら、ちょうどスマホを忘れたって人が来たらしいんだけど」
「そうなんですか！？ ちょうど良かったですね」
警備員「はい。良かったです。
もう中には入れないと言ってるのに、どうしても中に入れろとか
みつかったら連絡すると言っても、何が何でも今日みつけないといけないとか
色々ゴネまして・・。マネージャー もいるのに言う事聞かないようで
困ってたんです、助かりました」
「いったいどんな人なんですか？ バックステージのお客さんですよね？」
「はい。あのー、元アイドルの・・」
「あ・・」
ユノとマネージャーがお察しという感じで顔を見合わせた。
警備員「まだ、これが本人の物か確認も必要なんですが、なかなか手強そうで・・」
話し合ってる輪の中にニュッと入って来た首。
「あ、それ、あのアイドルのですよ？」
皆が振り返った。
「チャン ミン」
いつの間にかやって来ていたチャン ミン。
「チャン ミン、どうしてわかるの？」
「ああ、一緒に写真撮った時に見たからですよ、なんだか毒々しいなと思って
印象に残ってるんです」
「毒々・・・」
呟いたAをチャン ミンが振り返って見た。
「？」
暫しAをみつめてから、チャン ミンはまた前を向いた。
「？？？」
訳がわからずキョトンとしていると今度はユノがみつめてニコッとした。
つられてAも微笑む。
マネ「チャン ミンが言うなら間違いないだろうし、とりあえず僕も一緒に行って
確認します」
警備員「そうして頂けると助かります」
マネ「じゃ、ちょっと行って来るから、帰り支度して待ってて」
そう言うとマネージャーは警備員と一緒に歩いて行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
