控室 1 ページ16
元アイドルとの写真撮影が始まるとAの元へとやって来たマネージャー。
「待ちくたびれたでしょう?」
「あ、いえ、とんでもないです。初めての事ばかりで楽しませて頂いてます」
「それなら良かった」
「それに私なんかよりユノさん達の方がお疲れでしょうに・・
ライブが終わっても大変なんですね」
「初日って事もありますし、まあ今日は特に多いかもしれませんね。
でも、もう終わるので先に控室へ行ってましょう」
そう言うと会話を続けながら歩き始めた2人。
「芸能人の人を初めて近くで見ました」
「あはは、東方 神起も芸能人ですけどね」
「あ! そうでした////」
少し照れながらAはマネージャーの後をついて行った。
━控室に着くと中から荷物を抱えた女性スタッフ達が出て来た。
「お疲れ様でーす」
「ああ、お疲れ様です、明日もよろしくお願いします」
「お疲れ様です」
Aも一緒に頭を下げて挨拶すると、マネージャーについて控室に入った。
「どうぞ座ってください」
「いえ、大丈夫です・・、あの〜・・聞いてもいいですか?」
「なんですか?」
「さっき、写真撮る時、止めてたじゃないですか?」
「え? ああ、腕組むとこですか?」
「はい、ああいうのはダメなんですか?」
質問の意図がよくわからなかったマネージャー。
「? ああ、Aさんは問題ないですよ? 写真撮りますか?」
Aが慌てて両手を振った。
「だ、大丈夫です、えっと、そうじゃなくて・・。
SNSとかで、結構近い距離で写ってる写真がたくさんあったので」
「ああ、もちろん仲の良い友達や知り合いならいいんですが、彼女は親しい訳でもなく
今日初めて来たお客さんの1人なだけなので、距離を守って貰っただけですよ。
それに彼女は以前、他のグループのメンバーとの写真で炎上した事があるので」
「そうなんですか」
「ユノは距離感が近くてビックリするでしょ?」
「え? あ・・はい////」
(そう言えば出会った頃も余りに近くにいてドキドキしたっけ・・)
「でも心配しなくていいですよ、誰にでもそうなんで」
「ああ、はい」
なんだか胸がチクッとした。
・
・
・
━その頃、ユノとチャン ミンは・・・
『ふ〜、なかなかやっかいそうな子でしたね』
チャン ミンが渋い顔をした。
『あはは〜、そうだね』
心ここにあらずなユノにチャン ミンの大きな目がギラリと光った。
『ヒョン』
『ん?』
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作者名:カホル | 作成日時:2021年6月3日 16時