バッグステージ ページ14
「お疲れ様っ！」
満面の笑みのユノが汗だくの顔をタオルで拭く。
( ツアー初日終了！
いやぁ〜、盛り上がったなぁ。
どんな公演でも始まる前は緊張するけど、やっぱり初日は格別に違う。
緊張も大きいけど、始まった瞬間、ステージへと出た瞬間、
客席からの歓声に一気にテンションが上がる感じ。
お客さんの反応も良かったし、何より初日を無事に終えることが出来て良かった良かった。
それにやっとAちゃんにも会えるしっ、サイコー！ )
━「ユノさーん、お願いしまーす」
(まだお仕事は続いてるけど、頑張るぞ)
「はい、行きます」
ペットボトルの水を一口グッと飲むと、ユノは呼ばれた方へと向かった。
・
・
・
合間に水分を補給しながら写真撮影に応じているチャン ミン。
「ふ〜・・・」
( さすがにツアー初日だけあってバッグステージへのお客も多いなぁ。
なかなか終わらない。
特にユノヒョンなんてずっと人に囲まれて写真撮ったり盛り上がってる。
僕はお客が途絶えたので、ちょっとトイレに。
そう言えばさっきチラッと彼女をみかけたなぁ。
マネヒョンと一緒になんだか楽しそうだったけど、あれ見たらユノヒョン嫉妬しそう)
「ぐふふ(笑)」
つい声が出てしまった。
・
・
・
「？」
トイレから手を拭きながら出たチャンミンがふと見た通路の先の方に
キョロキョロと少々挙動不審なAをみつけた。
「何してるんですか？」
そっと近づいたチャン ミンが後ろから声をかけた。
「ひゃっ！」
驚いたAが振り返る。
「そんなに驚きますかね」
「！ チャン ミンさん、あ、アンニョンハセヨ」
Aはペコリとお辞儀をした。
「お久しぶりです、何してたんですか？」
「あー・・えっとー、どこから来たっけなぁ〜？って」
「ああ、迷子ですか」
「いや、迷子って言う訳じゃあ・・」
「ついて来てください」
「え、あ、カムサハムニダ」
歩き出したチャン ミンの少し後方をついて行くと段々と賑やかな声が近づいて来た。
すると、スーツ姿の男性が女性2人を引き連れて近づいて来る。
『チャン ミンさん、ありがとうございました』
韓国語で言いさりげなく離れたA。
その後ろ姿を見る視線があった。
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作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
