それぞれの準備 ページ11
地下鉄に揺られ、女子会から帰宅したA。
急いでシャワーを済ませ髪も乾かしてユノからの電話を待つ。
「ふぁ〜・・、ちょっと飲み過ぎたかな？」
ベッドにもたれTVのニュースを見ながら欠伸をした。
・
・
・
PrrrPrrr〜♪
『ヨボセヨ』
『ネ〜・・』
『Aちゃん？』
『ん〜・・・』
気だるい声。
『あれ？ だいぶ酔ってる？』
『ううん・・酔ってない・・？』
『？』
「・・です！」
「あはは〜、急に元気になった、大丈夫？」
「すみません、ちょっと・・寝ぼけました」
「寝てた？」
「あ、寝てはないです、ウトウトはしてたけど////」
「ごめんね、遅くに」
「いえ大丈夫です、お酒飲むと眠くなる方なので、それで・・」
「ふふ、そんなAちゃん見てみたい。今度一緒に飲もう？」
「え、と・・はい//// お仕事終わりましたか？」
「うん、僕も家に帰って来たとこ」
「お疲れ様でした」
「ありがとう。追い込みかかってて・・なかなか連絡出来なくてごめんね。
もうあと少しで日本に行けるから、そしたら会えるから」
「はい。私も色々準備して待ってます」
「準備？」
「スーツケースも買って荷造りとか〜、アルバム聴いて歌を覚えたりとか」
「新しいアルバム？」
「それもですけど、過去のアルバムとかも聴いてます。
東方 神起の曲がたくさんあり過ぎて何から始めればいいのかわからなくて、
えっとー、コレクション？ 色々集めたアルバム？ みたいなの聴いてます」
「ふふふっ、嬉しい、ありがとう。
絶対にいいライブにして、かっこいい姿たくさん見せるからね」
「はい、楽しみです。あ、全部一緒に行けなくてごめんなさい」
「いや、それは僕の我が儘だからAちゃんが謝る必要はないよ」
「でもっ、出来るだけたくさん行ける様に店長に交渉したんでっ」
「交渉してくれたんだね、ありがとう。店長さん、怖いの？」
「そうじゃないんですけど・・。やっぱりたくさんお休み貰うのは気をつかうし」
「ごめん、気をつかわせて・・」
「違いますっ、私だってユノさんにたくさん会いたいからっ」
「！！」
ユノはいつになくハキハキと言ったAの言葉に驚いた。
「Aちゃん・・////」
そして1人照れた。
「ん？ あっ！ あ、えっと////」
「やっぱりだいぶ酔ってるね？」
「いえ、ぁっと、あはは////」
「そんな言葉聞けるなら、やっぱり一緒に飲まなくちゃ」
ソファーに座るユノが楽しそうに微笑んだ。
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作者名：カホル | 作成日時：2021年6月3日 16時
