遠距離恋愛 ページ2
「はぁ〜、ただいま〜」
誰もいるはずもない自宅に帰って来たA。
午後になると気持ちも落ち着いて来たけど、気を抜かない様に働いていたので無駄に疲れた。
鞄を置くと、ベッドにもたれ座り込む。
朝、一旦着替えに戻っては来たものの、バタバタと準備して出勤したままの部屋。
「・・・お腹すいた。ご飯食べてお風呂入ろっ」
勢いをつけて立ち上がったAは、部屋着に着替えるとキッチンに向かった。
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入浴も済ませ、髪を乾かし終えたA。
出しっ放しになっていた着替え等を片付けるとベッドに腰掛け、ふ〜っと息を吐く。
なんだか、凄く濃い2日間だった気がする。
今まで、経験した事のない2日間・・・
朝まで一緒にいたユノ。
その前には、この部屋にいたユノ。
(あ、違う。前の夜に突然やって来たから・・・3日間?)
「わぁー・・・」
Aはベッドに仰向けになった。
信じられない様な気持ち。
掴まれた腕の感触も、抱きしめられたぬくもりも、キスした時の鼓動も・・・
全部鮮明で、現実にあった事なのに、現実の事でない様な気持ちも湧いてくる。
(ん?・・・これって、遠距離恋愛ってやつ? しかも国境、越えてる・・・
私、遠距離の経験ないんだけど・・、え? 大丈夫かな? 私・・・)
ふと気づいた状況に、漠然とした不安を感じるA。
「・・・・・」
・・・と、スマホが鳴った。
立ち上がり小さなダイニングテーブルの上に置いたスマホを取りに行く。
スマホの画面には`ゆの´と表示されている。
「はい」
「もしもし? Aちゃん?」
「はい、ユノさん。無事に大阪、着きましたか?」
「うん。リハーサルも終わってホテルの部屋に着いたから、電話した」
「お疲れじゃないんですか?」
「全然大丈夫! だってAちゃんからキスしてって言われたから」
「え!? え!? 私がいつ!?」
身に覚えがなく動揺するA。
「もう1度、呪文かけてって言ったじゃない」
「えっ!? あれは本当に呪文を言って貰いたくて・・え!? 」
思い返せば確かに、キスと呪文がセットになってたけど・・・
「そういう、意味ではなくて・・・」
「あはははー、Aちゃん大好きっ」
まぁ、ユノさんが幸せそうなら、そういう事でいいか・・・
苦笑いしながらAはそう自分を納得させた。
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ryokasyu(プロフ) - 愛嬌さん» 申請ありがとうございます!お気に召していただけて本当に嬉しいです^^ (2021年1月12日 20時) (レス) id: d540230153 (このIDを非表示/違反報告)
愛嬌(プロフ) - カホルさんの書くユノ大好きです^_^お友達申請させた頂きました。宜しければ承認お願いします。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カホル | 作成日時:2020年9月27日 16時