検索窓
今日:34 hit、昨日:4 hit、合計:29,541 hit

遠距離恋愛 ページ2

「はぁ〜、ただいま〜」

誰もいるはずもない自宅に帰って来たA。

午後になると気持ちも落ち着いて来たけど、気を抜かない様に働いていたので無駄に疲れた。

鞄を置くと、ベッドにもたれ座り込む。

朝、一旦着替えに戻っては来たものの、バタバタと準備して出勤したままの部屋。

「・・・お腹すいた。ご飯食べてお風呂入ろっ」

勢いをつけて立ち上がったAは、部屋着に着替えるとキッチンに向かった。




入浴も済ませ、髪を乾かし終えたA。

出しっ放しになっていた着替え等を片付けるとベッドに腰掛け、ふ〜っと息を吐く。


なんだか、凄く濃い2日間だった気がする。

今まで、経験した事のない2日間・・・


朝まで一緒にいたユノ。

その前には、この部屋にいたユノ。


(あ、違う。前の夜に突然やって来たから・・・3日間?)

「わぁー・・・」


Aはベッドに仰向けになった。

信じられない様な気持ち。


掴まれた腕の感触も、抱きしめられたぬくもりも、キスした時の鼓動も・・・

全部鮮明で、現実にあった事なのに、現実の事でない様な気持ちも湧いてくる。


(ん?・・・これって、遠距離恋愛ってやつ? しかも国境、越えてる・・・
 私、遠距離の経験ないんだけど・・、え? 大丈夫かな? 私・・・)


ふと気づいた状況に、漠然とした不安を感じるA。

「・・・・・」


・・・と、スマホが鳴った。

立ち上がり小さなダイニングテーブルの上に置いたスマホを取りに行く。

スマホの画面には`ゆの´と表示されている。


「はい」

「もしもし? Aちゃん?」

「はい、ユノさん。無事に大阪、着きましたか?」

「うん。リハーサルも終わってホテルの部屋に着いたから、電話した」

「お疲れじゃないんですか?」

「全然大丈夫! だってAちゃんからキスしてって言われたから」

「え!? え!? 私がいつ!?」

身に覚えがなく動揺するA。

「もう1度、呪文かけてって言ったじゃない」

「えっ!? あれは本当に呪文を言って貰いたくて・・え!? 」

思い返せば確かに、キスと呪文がセットになってたけど・・・

「そういう、意味ではなくて・・・」

「あはははー、Aちゃん大好きっ」


まぁ、ユノさんが幸せそうなら、そういう事でいいか・・・

苦笑いしながらAはそう自分を納得させた。

ルール→←平凡な日常



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ryokasyu(プロフ) - 愛嬌さん» 申請ありがとうございます!お気に召していただけて本当に嬉しいです^^ (2021年1月12日 20時) (レス) id: d540230153 (このIDを非表示/違反報告)
愛嬌(プロフ) - カホルさんの書くユノ大好きです^_^お友達申請させた頂きました。宜しければ承認お願いします。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カホル | 作成日時:2020年9月27日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。