特別な言葉 ページ34
「A・・・、僕と、結婚して？」
「！」
突然のプロポーズに言葉が出ないA。
「僕が、守るから。必ず、守るから。ずっと、僕の傍にいて欲しい」
「ィ・・ル・・」
「僕と、結婚してください」
「・・・はい」
涙の止まらないAが、精一杯微笑んで見せる。
Aの返事にイルも瞳を潤ませ微笑むと、Aを抱き寄せた。
「一緒に幸せになろう」
「うん」
Aもイルの体に腕を回してギュッと抱きしめた。
「イル・・大好き」
「ふふっ、そこは“愛してる”でしょ？」
「うふっ・・だい、すきっ」
とびきりの笑顔で抱きしめ合うと、イルが額にキスをした。
Aも顔を上げイルに微笑むと、今度は口びるにチュッとキスをする。
お返しにAもイルにチュッとキス。
微笑み合う2人。
・・・と、イルが立ち上がった。
「？」
「A、憶えてる？」
「？」
キョトンとするAの前に立つと、その両頬を手で包み、腰を折った姿勢でキスをした。
「！」
1度離れたイルが愛おし気にみつめると、再び口びるを熱く重ねる。
そしてAの腕を自分の首に回すとソファーから抱き上げ寝室へと向かった。
「え、と・・イル？」
ベッドに降ろされたAの隣にイルも座った。
「初めてのときのこと・・・」
「////・・・やだ、恥ずかしい」
照れるAの頬に手を触れ口びるを重ねるイル。
Aの手がイルの腕を掴み、お互いの口びるを求めあう。
イルの指が首筋へと降りて行き、ゆっくりとベッドへと倒れこんでいく。
「ん！ イル・・」
イルの手が体へと下がって行くとAがその手を掴んだ。
「え、と・・・するの？」
「どうしたの？イヤ？」
顔が熱くなる。
「だって・・ずっと・・キス、しかしなかったじゃない。いつも途中で・・・」
Aは、顔を覗いたイルから視線を逸らした。
「ああ・・・」
恥ずかしそうにイルが笑った。
「赤ちゃんいるなら、我慢しなきゃって、思ってた」
「へ？」
「何、その声」
可笑しそうに笑うイルと反対に、泣きそうな顔のA。
「え？何？どうした？」
「もう・・私の事、飽きたのかと思って・・私じゃ、ダメ、なのかと」
イルがクシャっと笑う。
「そんな訳ないでしょ？こんなに・・愛してるのに」
「イル・・・」
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作者名：カホル | 作成日時：2020年6月16日 20時
