With you （続 birdcage） (ページ28)

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イベントの日ページ28

店の前の立て看板には、～１０周年記念イベント開催中～と書かれている。

ワンコインでスイーツとドリンクのセットを楽しめるという事で、
前売りされていたチケットも完売。

当日、知らずに来てしまったお客にはクッキーのお土産を渡すというサービスもあり
店内は賑わっている。

A達が先にドリンクを運び、その後イルがスイーツを届けるという流れ。

客席に案内する係は別のスタッフの担当なので、誰が来ているかは知らないまま客席に向かうと
そこには、ユノが座っていた。

「！ユノさん！来てくださったんですね」

「もちろん！Aちゃんのお誘いなら断る訳にいかないでしょ？」

ウインクして見せるユノに照れるA。

「あ、アイスコーヒーです」

コーヒーをテーブルに置いていると・・・

「誰のお誘いって？」

後ろからイルの声がした。

「友人のAちゃんのお誘いですけど、何か？」

「僕は許可した覚えはないけど？」

「あ、まぁまぁまぁまぁ、店長、スイーツをお出ししないと・・」

張り合う２人の間に入るA。

イルはスイーツをテーブルに置いた。

「あ、そうだ」

ユノが立ち上がった。

「イルさん、１０周年、おめでとうございます」

そう言って大きな花束を差し出した。

「ありがとうございます、ユノさん」

花束とイケメン2人に、店内のお客さんも見とれながら拍手をした。

なんだかんだと言いつつ、2人は握手をし、イルが厨房へと下がって行った。

ユノが再び座るとAはこっそり言った。

「あんな事言ってましたけど、ちゃんとユノさんのチケット、分けてくれたんですよ」

「あはは。あ、そうだ、啓太さんも誘ったんだけど甘い物は苦手だって言って、
　あの花束を作ってくれたんだ。啓太さんの気持ちも入ってるって伝えておいて」

「はい！だから、ユノさんはスイーツ2人分なんですねっ」

Aの笑顔にユノも微笑むと、イル特製のスイーツを堪能した。

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ユノがゆっくりとコーヒーを飲んでいると、目に入って来たお客。

「！」

Aにひどい事をしたあの2人組だった。

コーヒーを置いたユノが、監視する様に厳しい目でみつめる。

注文を取ったスタッフが厨房へと向かって行った。