イルvs.ユノ ページ24
「もしもし？」
「Aちゃん？久しぶりだね、元気？」
「はい、元気です。ユノさんもお元気ですか？」
「！？」
ベッドの上のイルが反応するし、起き上がる。
「うん。その後、どう？イルさんと・・」
「え、あっ！」
いつの間にか背後に迫っていたイルにスマホを奪われた。
「もしもし、こんにちわ、ユノさん」
「！あ、イルさん、こんにちわ、一緒にいたんですね」
「ユノさんが一体何の用ですか？」
・・・「ちょっ、イル、やめて」
イルの挑発的な言葉に乗るユノ。
「友人としてAちゃんに話があったんで、友人として。
友人なんで電話してもいいですよね？友人なんでっ」
「・・っ！」
どこか楽しそうにも思えるイルとユノだが・・・。
イルの後ろでシャツを引っぱり訴えるA。
「あー、友人なんで会っても問題ないですよね？友人なんで、またお店にも行きますし」
「・・・ど、どうぞ来てください。お客として歓迎しますよっ」
押され気味のイル(？)
「・・で、Aちゃんに代わって貰えますか？」
「え？あー、ダメダメ無理無理」
「えぇ？」
・・・「イルってばー・・返して」
「今、いいところなんだから、邪魔しないでくださいっ」
「！」「！」
赤くなるユノと、A・・・。
「きゃぁーーー////何言ってるのよ、イル！違います、違います、違いますからーーー////」
━そこで電話が切れた。
「ぷっ・・・」
明らかに敵対心むき出しのイルの対応。
その後ろで慌てるAの様子が目に浮かぶようでユノは吹きだした。
「幼稚だな」
そう呟いたユノの顔から笑顔が消えて行く。
(ここまでだ)
これ以上の想いは、誰もハッピーにはなれない。
本当に、友人としてAを見守っていこう。
それが僕の愛し方として・・・
(辛いだろうけど、出来るだろう？・・・ユノ)
・
・
・
━その頃・・・
「知らない！」
「ごめん、ごめんなさい、許して？」
怒って背を向けているAに謝るイル。
「もうしないから」
「・・・」
「A〜〜〜」
「あんな事言ったら恥ずかしいでしょ！？恥ずかしくてユノさんに会えないじゃない」
「会わなければいいんじゃない？」
「！」
火に油を注ぐイルだった。
「じゃ、Aはユノさんに会いたいの！？」
振り返ったA。
「・・・もうっ、家に帰る！」
そっぽを向く。
「ああぁ、ごめんっ、ごめん、A〜」
腕を掴むイル。
「やっ！嫌い！」
「A−−−」
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作者名：カホル | 作成日時：2020年6月16日 20時
