もうこれ以上 ページ22
イルは、Aの手を握り、ただみつめた。
・・・と、Aがイルの方へ寝返り、両手でイルの手を握り額をくっつけた。
「ごめんなさい・・、ひどい事、言って。勝手な事、言って」
Aの頭を優しく撫でるイル。
「Aはいつも気持ちを隠すから、ちゃんと言ってくれた事、嬉しいよ。
だからもう泣かないで・・・」
目を開けたAの目から落ちた涙をイルが拭う。
Aはじっとイルをみつめた。
イルが優しく微笑むと、Aはゆっくりと起き上がった。
「大丈夫？」
「ん・・」
Aを支えるようにしてイルも隣に座り肩を抱き寄せると、Aもイルに抱きついた。
「A・・、僕だって不安だったよ」
イルは左手でAの肩をさすりながら話す。
「ユノさんがAの部屋にいたりして・・」
「うん・・」
「Aを誰かに取られちゃうんじゃないかとか・・」
「！？」
イルの発言に驚いたAは、イルの顔を見上げると精一杯首を振った。
「・・・A」
「？」
イルの表情が違って見える。
「前にも言ったけど、・・・一緒に暮らそう？」
「！」
「もうこれ以上、Aを不安な気持ちにさせたくないし、僕もずっと傍において
守りたい、安心させたい。何より、僕が、傍にいて欲しいから」
戸惑いの表情を見せるA。
「え、と・・・」
「僕を嫌いになった？」
慌てて首を振るA。
「僕じゃイヤ？」
首を振るA。
「ダメ？」
流れで首を振るA、イタズラな顔をして微笑むイル。
「あ！・・////」
嬉しそうにイルはAを抱きしめた。
「・・ずるい」
「あはは」
イルは再びAをみつめる。
「A・・、一緒に暮らそう」
「・・・はい」
嬉しそうに微笑んだイル。
Aも恥ずかしそうに微笑む。
イルがAの顎を上げ口びるを重ねた。
啄むキスが徐々に熱く求めあうキスへと変わって行く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カホル | 作成日時：2020年6月16日 20時
