向き合う2人 １ ページ17
通話を終えたAがユノを振り返る、
「あの・・、どうしてユノさんがここにいる事、イルが知ってるんですか？」
「ちょっとね、昨夜話したから」
「え？え？え？」
理解できずにプチパニックなA。
「それより、イルさん来るんでしょ？着替えて準備しないと、ほら」
ユノが手を伸ばして、Aの跳ねた髪を直す。
「///・・・はい」
「体調は大丈夫？怪我の痕、まだ残ってるみたいだけど」
「もう大丈夫です、ユノさん、いつも助けて頂いてありがとうございます」
微笑むユノ。
「じゃ、僕は帰るね。イルさんと・・ちゃんと話すんだよ？」
「・・・はい」
部屋を出てドアを閉めたユノの目に、はにかんだAの笑顔が焼き付いて離れなかった・・・
・
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━Aはシャワーを浴び着替え、部屋を片付けたりしてイルの到着を待った。
やがて鳴るドアのチャイム。
少し緊張しながらAがドアを開けると、目の前に立つイルの姿。
まるで、ずっと長い間会えなかったかの様な感情が湧いて来る。
涙が滲んで来ると同時に、部屋に入ったイルが強く抱きしめた。
「A・・・ごめん・・」
「イル・・・っ・・」
Aはイルにしがみついて泣いた。
「あたた・・」
2人はベッドに腰を下ろした。
「足、どうかしたの？」
「朝、ちょっとつっちゃって、まだ痛いの」
「見せて」
イルがAの足を持って揉むと、目に入って来た痣。
「これ、何？ いつもみたいにぶつけたにしては大きいよね？・・こっちも」
「あ、・・それは、えと・・」
イルは直感した。
ユノが匂わせていた出来事は、これなんだと・・・
「何があったの？ちゃんと教えて」
真剣な表情のイル。
「３日前の・・雨の日に、啓太さんのお店の横の公園で・・・」
どう言えばいいのか悩むA。
「えと・・お客さんで、イルの事・・好きだって、人が・・、人に・・・」
「何か言われたの？」
「・・彼女でしょ？って・・責められて・・、別れろとか・・」
「・・・それで？」
こみ上げて来る感情に言葉を詰まらせるA。
「引っ張られて、転んで・・、っ、蹴られたり・・・」
涙が溢れだしたAを抱きしめるイルの目にも涙が滲む。
「ごめん、A、辛かったよね。１人にさせてごめん・・・」
「・・っ・・・っ・・」
泣きじゃくるAをイルは強く抱きしめた。
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作者名：カホル | 作成日時：2020年6月16日 20時
