With you （続 birdcage） (ページ11)

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想うページ11

(1人で、泣かないで・・・)

振り返った時に、言おうとした言葉。

グッと飲み込んだユノ。

手を伸ばせば触れられる場所にいるのに・・・

車からマンションの入り口までの数メートル、図らずも相合傘となった時、Aの肩がぶつかった。

その後Aはぶつからない様に距離を取ったので、ユノは引き寄せたい想いを抑え
濡れない様にと傘をAの方へとずらした。

狭い空間に微妙な空気が流れていた。

車の中で見た笑顔。

涙を堪えていた瞳。

抱きしめた細い体。

わかっていても、愛しかった。

越えてはいけない線。

苦しめるような事だけはしたくない・・・

ハンドルを握りながら、さっきまでAのいた助手席を見る。

この想いは胸の中だけに・・・

・
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━翌朝、ベッドの上、目を覚ますA。

起き上がろうとすると、知らない間にぶつけてたのかあちこちに痛みを感じた。

「いたた・・・」

それでも偶然ユノが通りかかってくれたおかげで、この程度で済んだのかもしれない。

いなかったらどうなっていたのか？

考えると恐ろしかった。

イルにもどう伝えればいいのかわからない。

自分のせいでこうなったのだと考え、自分を責めるだろう。

そんな風に思わせたくなかった。

だから伝える事をためらう。

それをユノに言い当てられ驚き、思わず泣きそうになった。

どうしてわかったのだろう？

必死に涙を堪えていた時も・・・

泣かせてくれて気持ちが少し軽くなった。

「あ・・・」

そこで、抱きしめられたことを思い出し恥ずかしくなる。

(これは、知られたらダメよね？ユノさんに迷惑がかかっちゃう)

とにかく・・・

明日からは三連休の定休日なので、会えるかイルに聞いてみよう・・・

そう考えながらお店へと向かった。