クリスマスの雪 (ページ3)

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サンタクロース　（前編）ページ3

デパ地下で買ってきた総菜で昼食を済ませると、Aは風邪薬を飲んだ。
そして、いつの間にかコタツで眠り込んでしまっていた。

「ピンポーン。」
玄関のチャイムが鳴る音がした。

「んー・・・」

Aはもぞもぞとして、まだ眠っている。時刻はすっかり夕方になっていた。

「ピンポーン、ピンポーン。」

「誰よー・・・、いませんてばー。」

小さな声で文句を言いながら、眠りを維持しようとしている。

「ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン・・・」

ピンポンラッシュにさすがにAも起き上がった。

「もうー！誰よ！もう！」

ブツブツ言いながら、玄関へと向かった。

「はいはい、どちら様？」

「お届け物です。」

「お届け物？何も頼んでないけど・・・」

心当たりのないままドアを開けると、そこには真っ赤なジャケットのサンタクロースが立っていた。

いや、サンタの衣装を着た男が立っていたのだ。

Aは一瞬、何が何だかわからなかった。

「？」

そして、あのデパートの福引で当たった「サンタデリバリーサービス」だと理解するまでに
少々時間がかかった。

「あ！」

男がほほ笑んだ。

「もう届けに来たの？今日当たったばかりなのに？・・・あれ？」

気づいてみるとその男は、マネキンかと思っていた男だった。

「あなたがデリバリーのサンタさん？目の錯覚じゃなかったんだ。」

男は、その言葉に答えずに言った。

「お持ちした物をお渡ししたいんですが・・・」

「あ、はい。」

━と、手を差し出そうとしたAは、突然なだれ込んで来た屈強な男達に弾き飛ばされるように
後ずさりした。