Happy new・・・ （中編） ページ17
あれから一週間・・・
新しい年を迎えようとしていた。
TVでは、年末恒例の歌番組も終わりを告げようとしている中、Aはコタツでウトウトしていた。
「もう無理・・・眠い・・・」
Aが横になりクッションの感触を味わった途端、
━「ピンポーン」
玄関のチャイムが鳴った。
「何〜？ こんな時間に。」
しぶしぶ玄関に向かい、ドアの外に声をかけた。
「どちら様ですか？」
「お届け物です。」
「お届け物？・・・！！」
Aはハッとしてドアを開けた。
「ユノ！？」
そこへ勢いよく屈強な男達が入って来てAは外へと弾き出された。
辺りを見回しユノの姿を探すも、そこには誰もいない。
立ちつくすAの横を男達がまた風の様に去っていった。
パジャマ姿のまま外に取り残されたAは、少し寂しく口元で微笑むと再び部屋に戻り鍵を閉めた。
「ユノ・・・会いたい・・・」
ドアに額でもたれ呟く。
━「・・・A。」
名前を呼ばれた気がした・・・
━「・・・A。」
確かに聞こえた、名前を呼ぶ声。
ゆっくり振り返り、恐る恐る足を踏み出すAの視線の先・・・
ベッドに腰かけ優しく微笑むユノの姿がそこにあった！
「ユ・・・」
驚いて動けなくなるAに、ユノが立ち上がりゆっくりと近寄ってきた。
微笑み右手を差し出すユノ。
伸ばしたAの左手がユノの指先に触れる・・・
「指輪・・・似合ってるよ。」
掴んだAの手、その指に光る指輪にユノがキスをする。
動揺に膝の力が抜けるAの腰を、ユノが力強く引き寄せた。
目の前に迫る艶やかな瞳。
「・・・あなたは・・・誰？」
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作者名：カホル | 作成日時：2020年4月28日 13時
