JUMP短篇集（JUMP×JUMP）5

おでんも俺らもグッツグツ｡ １ ybhk ページ25

…


「やぶぅ〜？テーブルの上、片して〜」

「はぁ〜い」

「はい、おまたせ」

「うおー、ハンペンハンペン！！
なぁ、なんでハンペンてこんなに膨らむんだろなぁ〜？不思議だよねぇ〜」

「だねぇ(笑)」



昨日、薮が「おでん食べたいー！絶対ハンペン入ったやつー！」って喚いてさぁ。
いきなり言われても、味がしみるまで時間かかるじゃんねぇ。

仕方ないから、買い出し行って、昨日の晩から煮込んだよ。
卵に大根、さつま揚げ、チクワとげそ巻き、もち巾着。俺も大好きなハンペンも沢山入れて。





プックプクに膨らんだハンペンがプシューって縮んでいくのを楽しそうに見てる薮はとっても可愛い(笑)


「はい、どうぞ」

「お、ありがと」

「からし、ここねー」

「んまっ！すんげー染みてるっ♪」

「そぉ？よかった」


ハフハフしながら頬張る薮があまりにも可愛くて、つい笑っちゃったら

「ん？ほら、あ〜ン」

「あ？んんっ、」

大根を口に突っ込まれた。

「はっ、はふっ」

「はは、かわいいー」

なにすんだ！いきなりっ！あちぃって。
まったくなぁ。


そいや、紅白の合間に薮とサウナ納めしたなぁ。
まだまだサウナ初心者の俺に、例のごとく余談の薮が色々と教えてくれた。あれは楽しかったぁ。


らじらーで話したら伊野ちゃんが心底羨ましいって顔してニマニマしてた。

伊野ちゃんだって雄也が迎え来てたじゃん。
優しい彼氏だねぇ。


今年のお正月はおばあちゃん達と集まることなくて、お姉ちゃんがお雑煮作ってくれたけど、なんかいつもと違うと少し寂しかったな。

それでも、リモート飲み会も相変わらず沢山してたし、久々の長めのオフは趣味に没頭も出来たしねぇ。

それなりにいいお正月を過ごせてたなぁ。

おでん頬張ってるコイツもほとんど俺ん家に居たしなぁ。ふたりでのんびりお正月なんて初めてだったなぁ。

なんて、ぼけぇ〜っと考えてたら

「ん？なんだよ、食べないの？あ！俺に見蕩れちゃってんのか？」

「ハイハイ。ソーデスヨ」

「なぁんだよ、その棒読み加減はァ〜」

「いいから、食べてろ！こぼすぞ！」

「んもぉ〜光くんたらぁ。すぐ照れ隠しするぅ〜」

「うるさいっ！まったくぅ」


うるさい薮をほっぽっておでん食べようとしたんだけど。
あれ？ハンペンが見当たらねぇ。
え？薮、全部食べちゃったの？？


「はい、光。あ〜ん」

え？
あーん？
また言われるまま口をひらけば
今度はいい温度のハンペンが口に突っ込まれた。



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