雨と目薬が始まりでした。tkin etc.

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…


「「かんぱ〜いっ」」

「…かんぱぃ」

「なんやぁ〜、ノリ悪いなぁ。」

「……おまえ、だれ？」

「ええーー？？いまさらぁ？？
忘れちゃったのぉ？？おれおれ！」

「オレオレ詐欺……」

「ちゃうわっ！桐山照史！」

「ははっジョーダンジョーダン」

「なんなぁん。人が悪いー(笑)」

「「うははははっ」」


桐山に懇願されてた伊野尾くんを混ぜての飲み会。
やっと実現出来てご機嫌な桐山に、楽しそうな伊野尾くんと有岡くん。


俺は、といえば…
やっぱり、どうしても、意識しちゃって。

気楽に話しかけらんないー。
なに？乙女なの？俺ってば。

俺を抜かした３人がしばらくワイワイとやってたんだけど……


「どした？たかきぃ。なんか悩み事かぁ〜？」


うぅーー、それは、貴方のせいでしょう〜。
ヘラヘラとニヤニヤとしてるこの感じは、あの事も忘れられちゃってんのかな？


「な、なんでもないよっ」

「「そーだそーだ！高木、ノリがわるーい」」


桐山と有岡くんがヤイヤイ言ってくるけどさ。
有岡くん…俺、今日のこの会の前に言ったじゃん。
告っちゃった、どうしようって。


そしたら
「よしっ！まかせろ！」
と、言ってどっかに行っちゃったんだよね。
しばらくしてスマホに飲み会の日程が送られてきた。


飲み会まで１週間…

お互い忙しくて、伊野尾くんとなかなか顔を合わす事がなく、任せろ！って言ってた有岡くんも急な出張で全然会えなくて…


意を決して挑んだ飲み会なのにさ。
当の本人は何も無かったみたいな態度だし、有岡くんは色々忘れちゃったのか桐山と楽しんじゃってて。


「ここね、日本酒でカクテル作ってくれんだ」

「へー」

「あんまし甘い系にしちゃうと日本酒の良さがなくなっちゃうけど、これは美味いから！飲んでみて！」

「ありがとー！……んんっ！んまいっ！」

「せやろー？ほら、どんどんいっちゃってー」


口あたりがいいもんだからグイグイと飲み進めちゃってる伊野尾くん。
慌ててグラスを取り上げるとカクンって俺の方に倒れてきてたと思ったら聞こえる寝息。
ええーー？？



「高木、あと頼んだ」

「へ？」

"上手くやれよ"

別れ際、有岡くんから言われたけど、なにを？？何を上手くやれって？？

仕方ないから寝ちゃった伊野尾くんをタクシーに乗せて自宅に帰った。

「んん、たか、き？」

ソファに横にさせて水を取りに行こうとしたら呼ばれる俺の名前。


「高木、こっち…きて」


え、なに？期待しちゃうよ？


．

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