雨と目薬が始まりでした。tkin etc.

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…


バッターーンン！！！ってすんごい音させてドアが開いたとおもったら。

鬼の形相の裕翔が立ってた。

ゼーハーゼーハー肩で息してる裕翔。

って、あれ？
あれれれ？





「なん、でっ！」



そこにいたのは……
タキシードを着た高身長のイケメン裕翔。





「なんでじゃないっよ！こっちこそなんでだよ！なんで話してくんなかったの！！こんな、こんな綺麗な花嫁さんがいたなんて！！」


「「「え？」」」





どうやら裕翔は、涼介からこのバイトの件を聞かされてはいたけど、まさか花嫁役とは思わず。

しかも大ちゃんが花婿役なのは納得しなくて、それなら自分がやります！やらせてください！って土下座して頼み込んだそうで。




「て、わけだから！大ちゃんありがとう。もういいよ！！」

「はぁーっ？なんだそれ！！」

「さあ、涼介。いこうか」

「うぉいっ！！！」


涼介の腕をとって嬉々と歩き出す裕翔を七五三な大ちゃんが追っかけてった。



呆然としてると

「さて、伊野尾くんも行きますか」

そう言って左腕を差し出してくる高木。

「一人で行ける！」

颯爽と立ち上がろうとしたら、ドレスの裾を踏んずけてコケかかって、高木に助けられた。

「ふおおー、あっぶねー」

「大丈夫？意外とそそっかしいよねぇ」

「むっ、そんなことないっ！」

「まぁまぁ。ほら、手はこっち」

「歩きずらいだけだからなっ！！」

「はいはい(笑)」




ちっくしょー！なんかこの余裕感がムカつく！
もっと文句言ってやろうと思ったのに、改めて見た高木は、なんか…結構カッコイぃ…と、思ってしまって…黙ってその腕にしがみつく感じで歩き出した。


ヒールを履いてる俺よりも高い目線のコイツは、そのへんのモデルよりもモデルみたいで、絶対モテるんだろうなぁ。胸板なんかもそこそこ厚めで、切れ長の目で、声もすごく良くて……

俺がワガママ言っても怒んないし。

涼介の相談にも嫌な顔せずのってくれるし。




あの人も背が高くて、いっつも見上げて話してたもんな。あの人も優しかったけど。

その優しさを勘違いしたのは俺なんだけど。


こいつが彼氏ならいいのにな。
そしたらすごく大切にしてもらえるな。
あの人とは違って、大切にしてれるだろうな。





…





…





へ？
何考えてんだ？俺……

なんで、こいつのこと……


え？




…

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