りょんの世界２〜不定期更新〜

亮 ページ38

「丸の好きには応えられへん」


裕にぃの残した痕見せると
あからさまに目が泳いで、言葉につまってる丸


これでええ

これで良かってん

丸にはもっとちゃんとした相手がきっと居る

俺なんかで足踏みしてたらあかんねん



丸「お兄さんが…好きって…事…？」

「…」


裕にぃの事は嫌いちゃう…

でも丸が聞いてる好きとはちゃう…


丸「お兄さんが好きやから、僕とはもう会えへんて事…？」

「…」


会わへんのは、丸のため


いや、自分のためやな…
丸のためなんてのは、ただの言い訳や…


自分が傷つかんため…
面倒な事から逃げるため…
弱い自分を守るため…


全部…自分のためや…



丸「僕は…亮ちゃんが好きです」

「…」


ほんまの俺は、丸が知ってる俺より
もっとずっと汚い

ズル賢くて、卑怯で、弱虫で
汚いねん


丸「亮ちゃんと…もっと一緒に居りたい…」

「…」

丸「隣で亮ちゃんを見てたい…」

「…」

丸「もっと亮ちゃんを好きで居りたいよ…」

「…」



俺は…






俺は…っ




「利用すんで？」

丸「…っ」

「お前の優しさにつけ込んで利用するだけ利用して、いらんくなったら捨てんで？」

丸「…」

「お前の好意利用して、弄ぶで？」

丸「…」

「立ち直られへんくらい、最低の捨て方し……っ



後頭部に回された腕は俺の頭を包み込んで
引き寄せられた唇はそのまま丸の唇と重なった



丸「それでもいい…」

「っ」


一瞬だけ触れてた唇から発せられた言葉に
返す言葉が出んかった




丸「それでも……
…きっと僕は亮ちゃんが好きやから」

丸→←☆

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