りょんの世界２〜不定期更新〜

☆ ページ32

家族やから気兼ねなく？
家族やから本音が言える？


俺は…
家族やからこそ気つかう
家族やからこそ本音が言われへん


大事で…
失いたなくて…
失望されんのが辛くて…
あの３人の幸せを崩したないから…


裕にぃにこんなんやめようなんて言われへん…

先生らには言えても
裕にぃには…


…言われへん


そんなん言うたら裕にぃを傷つける…
裕にぃを傷つけたらきっと幸せが崩れてく…


距離を置くことしか出来ひん…
環境が変わったせいにする事しか…
そんな事しか俺には出来ひんねん…
とんだ弱虫野郎や…


自分が蒔いたタネやのに
自分が望んでこうなったはずやのに…



とぼとぼと歩く帰り道には誰もおらんくて
下向いてたら泣きそになる

やから、
上向いて
唇噛んで
垂れてきそな鼻すすんねん



「星………見に行かれへんやん…」



遥か遠くで光るちっちゃな瞬きに手伸ばしても
俺の手では触れられへん

俺は…

きっと光に触れる事は一生出来ひんねやろな…



空に伸ばした手をゆっくり下ろした



ギュッ


っ!?


下ろしたはずの手が暖かさに包み込まれて


「捕まえた」


その暖かさは俺の身体も包み込んだ


「ま…「ごめん」


すっぽりと包み込まれた頭の上から聞こえた謝罪


丸「何も知らんのにでしゃばってごめん…」

「…」

丸「亮ちゃんに、もっと自分を好きんなってもらいたかっただけやってん…」

「…」

丸「笑ってもらいたかったから…」

「…」

丸「嫌な思いさせて……ごめんなさい…」




謝らなあかんのは…俺のはずやのに…

ちゃんとせなあかんはずやのに…

裕にぃん事も、コイツん事も
全部ちゃんとせなあかんはずやのに…



丸「嫌われちゃった…かな…？」



優し過ぎるコイツに…



丸「亮…ちゃん…？」



逃げてしまいそになる…




「丸の…アホ…」


丸「ごめんね…？亮ちゃん」



やっぱ優し過ぎんねんお前は…



ギュッ
「…」

丸「亮ちゃん…？///」




ごめんな…丸…

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