いつまでも… 6 (ページ11)

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…
それからどのくらい経ったかはわからない。

誰かの足音が近づいてきて目の前で止まった。

…っん。

櫻「涼介くん、部屋にいないから焦ったよ。…あ、ちょっと待っててね。」

今の状況に気づいた先生はどこかに行ってすぐ戻ってきた。

櫻「お腹痛い？」

涼「…たく…ない…」

櫻「そっか。じゃあ、シャワー浴びに行こうね。」

バスタオルでくるまれたかと思うと体が浮いた。

栄養は空になっていたから接続を外されてそのまま連れて行かれた。

服を脱がされ椅子に座らせられると上から優しくお湯が掛けられた。

体を拭いてもらって出るまで特に会話は無い。

用意されていたおむつを素直に履く。

涼「…ないで？」

櫻「ん？なんて言った？」

涼「にいには言わないで…」

櫻井side

そろそろ栄養が終わるころだと思って部屋にいなかったから正直焦った。

また脱走したのかと思って。

廊下に出て探すとトイレ前の床に座ってる涼介くんを見つけた。

最初は発作でも起こしたかと思ったけど違うみたい。

茶色い水溜まりが出来ていた。

声を掛けた後バスタオルを取りに行ってすぐ戻った。

そのままシャワー室に向かう。

目を赤くしてかなり泣いたらしい。

シャワーを出た後、お兄さんには言わないで欲しいと言われた。

正直それは難しい。

今回は栄養の投与速度を上げたために起こったことだし、今後どうするかの説明には言う必要があると思うから。

櫻「これは涼介くんのせいじゃないし、気にしなくて大丈夫だよ？」

涼「それでも…言わないで…」

相当ショックだったのだろう。俯いたまま目を合わせようとしないし声も聞こえるギリギリ大きさ。

櫻「わかったよ。」涼介くんの気持ちを考えてそう言った。

…

涼「やらない。やめて。」

結局栄養は速度があげられないから夕分はお迎えが来る前に通常通り終わらせようと思って部屋に向かうと拒否する涼介くん。

何度も昼の腹痛と下痢は速度を上げたためだと説明しても納得してくれない。

経口摂取ができない以上必要なことなんだけどな…