ともに歩んでくれますか？３ (ページ6)

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…

山場だと言われた日を乗り越えて、涼介は今僕の目の前にいる。

涼介に苦しい思いはしてほしくない

だけど、ぎゅっと握ったこの手も離したくなくて。

ただただ時間だけが過ぎていく。

…

侑「ぐすっ。

なんで、なんで涼介なの…。まだ話したいこといっぱいあるのに。

行きたいところもやりたいことも。まだまだいっぱい…。なのにっ。」

涼「ふっ…はぅっ。…ん」

侑「どうしたのっ？苦しい？ねぇ、涼介？」

涼「んっあ…んー。」

静かだった涼介が急に口をパクパクしだした。

侑「教えて？何て言ったの？」

裕「みんないるからね。」

涼「あ…ぃがぁ…とぉ」

侑「涼介っ。ぐすっ。僕もだよ。」

裕「うん。ありがとう。そんな言葉じゃ言い表せないくらい楽しかったね。」

大「本当によく頑張った。こんな状態で話せるなんて奇跡だと思うよ。」

意識が朦朧としているはずなのに

しっかりと開いた涼介の視線は僕たちと確かに交わった。

そして…

数秒後、静かにその瞳は閉じられた。

これが最後だと言うように。

一筋の涙が零れ落ちた。

ピー

その瞬間、心電図のモニターから聞きたくない音がした。

信じられなくて。

信じたくなくて。

きっと誰もがそんな思いでいたんだ。

沈黙の時が流れた。

宏「…11時14分、御臨終です。」

涼介は僕と裕翔、大ちゃんと薮ちゃんに見守られ息を引き取った。