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宏「ちょっと痛いよ」


大「危ないから動かないよ。」


涼「んっ。…うっ。」




俺は胸水を抜いてもらっていた。


局所麻酔を使ってくれるけど、その麻酔を打つのが痛い。



涼「まだ…?痛い。」


それに麻酔をしたからって痛みが完全になくなるわけじゃないしきつかった。

宏「抜けないように縫うからね。また痛いよ。」


細いカテーテルが皮膚に縫いつけられていく。



涼「あっ…。んんっ。」



糸で引っ張られる感覚がなんとも気持ち悪い。





宏「2時間くらいで抜けきると思うからなるべく動かないでね。」



胸の横から出てベットの柵に掛けられている袋にぽたぽたと少し黄色味がかった液体が溜まっていく。



こんな色してるんだ…。


痛みもあったけどそんなことを考えられるくらいには落ち着いていた。






あと俺はどれだけの時間をここで過ごすことになるのだろうか。




せっかく外泊できたのにその期間はたった数週間だった。



きっともう外泊して施設に戻るのも難しいだろう。




だってそもそも退院じゃなくて外泊だよ?




病院外で過ごしているけれど籍は病院にあるってこと。




もう退院なんて一生できないんじゃないかな?





なんの根拠もないけれど、そう言われている気がした。

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作者名:りょん。 | 作成日時:2021年11月2日 23時

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