ともに歩んでくれますか？２ (ページ11)

今日:4 hit、昨日:13 hit、合計:38,497 hit

7 ページ11

暫くして、本当の父さんはわからないまま新しい男が家に来た。

俺がいることを知った上でのお付き合いだったらしいけど、そんなの嘘だった。

3人で同居するようになってから俺のことが気に入らなかったみたいで、

母さんがいない時を狙って俺は暴力を振るわれるようになった。

その頃から母さんはご飯をあんまり作ってくれなくてその男と一緒に家を空けることが増えたんだ。

帰ってきたと思えば男に叩かれて。

母さんがいる前でもお構いなし。

母さんはそんな俺を見ぬふりをして、時には男に加担した。

俺は…

限界だった。

傍から見たら優しくないのかもしれない。

でも、俺にとっては唯一の家族で一番の存在である優しかった母さんがいなくなってしまった。

今まではどんなに辛くても我慢すれば母さんのそばにいられたのにそうじゃなくなった。

その男に取られて俺はいつも1人。

帰ってきても邪魔者扱いしかされなかった。

少し言い返しただけでそれが何倍もの脅威になって返ってきた。

それからはおとなしくしていたけれど、男にとって俺の存在が目障りだったみたいで。

抵抗しないのをいいこと好き勝手された。

あの日も朝から叩かれて蹴られて。

首を絞められた時は本当に死んじゃうかと思って。隙をみて勢いで家を飛び出した。

ただ行き先もないしほとんど家から出たことがなかったから、

どうすることもできないで公園のベンチに座ってた。

それで、いのちゃんに出会ったんだ。」