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しばらくして涼介の様子を見に行くとソファにはタオルケットだけが残っていて涼介の姿がない。
トイレかなと思って見に行くと洗面台の所にいた。
大「涼介?いつからそこにいるの?」
涼「うーん…ちょっと前。」
チラッと時計を見てそう答えたけどきっとちょっとじゃないと思うな。
大「じゃあ、手洗うのもう終わりにしよう。」
涼「うん…。もうちょっと。」
大「どれくらい?」
涼「あと5分。」
大「そんなにしたら手が痛くなっちゃうよ。手見て?赤いよ?」
涼「ん、大丈夫。」
涼介が何をしているかというとひたすらに手を洗っている。
ただそれだけ。
でもそれも強迫性障害の症状の1つ。
たぶんトイレに行ってその後手を洗い始めたんだろうけど、どんなに洗っても手が汚いと感じちゃうんだよね。
今日は気持ち的にも朝から不安定だから余計に。
キュ。
終わる気配がないから水道の蛇口を強制的に閉める。
涼「あ。なんでっ。」
大「もうおしまい。手の皮向けちゃうから。」
涼「大丈夫。いいから。」
少し強引にだけれど涼介の手を引いて部屋に戻る。
大「お茶でも飲もう。」
涼「トイレ。」
大「さっき行ったでしょ。だめ。」
涼「ゔん〜!!!」
ほら立たないよ。座って。
今日はやっぱりダメな日みたい。
頓用薬を飲ませることに。
大「これ飲んで。」
涼「無理。汚いから触れない。」
大「大丈夫。涼介の手綺麗だよ?」
涼「いやっ。やめて。」
大「わかった。口に入れるから開けて。はい、水も飲むよ。」
涼介が手を洗いたがっている時はこの世の全てのものより自分の手が汚れていると思っているから何も触りたがらない。
だから薬も水も俺が涼介の口に入れて飲ませる。
涼介曰く自分の手で触ることで周囲のものを汚してしまうのが嫌なんだそう。
実際にそんなことはないんだけれどね。
落着いて気が紛れるまではずっとその意識のまま。
例えそれがお腹が空いている時であっても食べるという行為はしない。
ひたすら手を洗い続けるだけ。
それしか頭にないから。
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作者名:りょん。 | 作成日時:2021年9月2日 18時