君と生きる世界～明日はきっともっと輝く～ (ページ6)

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有岡side

さー。どうするかな。あの感じ、裕翔くんはきっと今日は仕事で急いでいたんだ。

だとすると帰りたいとしつこく言って怒られたんだと思うんだよね。

ゆうとくんは涼介に対してかなり優しいけど仕事のことになるとちょっとピリピリしやすいんだよね。
それに強迫性障害を持つ人の負担はかなり大きいからまあ仕方がないかな。

涼介も辛いよね。

自分だってやめたいのにやめられないことを怒られちゃうんだから。

…

大「涼介。中入るよ。」

涼「いい。ここにいる。」

って1人で帰る気でしょ。

それはダメよ。いなくなったりしたら裕翔を呼ばなくちゃいけなくなる。

そんなことしたらもっと怒られちゃうよ。

それにここにいると言いながらそわそわしてウロウロしてるし。

大「涼介、リュック貸して？お薬飲もう」

ここの利用者には昼の内服薬や頓用薬の持参をお願いしている。

職員で情報共有して必要時にはそれを飲ませるのだ。

自分で薬を管理できない人もいるから管理をするのも職員の役目。

涼「うん。」

ゴクッ。

大「今日はお仕事できそう？」

涼「…だめ、かも。」

大「無理しなくていいよ。今日はお休みしよう。お部屋行こうか。」

作業部屋ではなくソファがあって少し寛げる部屋に移動する。

しばらくするとしくしくと泣き始めた。

涼「だいちゃん…。僕どうしたらいいかわかんない。どうしようっ。ゆうとくんお迎えに来てくれないかも。」

大「大丈夫。ちゃんと来てくれるよ。」

涼「でも怒ってた。僕のせいで…。」

大「今日はねきっと仕事で何かあるんだよ。だから急いでいただけ。」

涼「僕がいつまでも変われないから。」

大「でも、頑張ってるじゃん。ここに通い始めた頃のこと覚えてる？帰りたいって1日中泣いていたんだよ。

それに家を出たけれど帰りたいって言って途中で帰って今日は行けないです。って裕翔から何度連絡をもらったことか。

でも今は帰りたい気持ちがあっても来れてるじゃん。すごいことだと思うよ？」

涼「ほんと？」

大「うん。涼介にも抑えられない思いがあるように裕翔も今日はそういう日だったんだよ。
それだけのこと。裕翔優しいでしょ？涼介のこと嫌ったりしないから大丈夫。
安心してお迎え待ってよう。ね。」

涼「うん。」

安心したらしく涼介は寝てしまった。

風邪をひかないようにタオルケットを掛けてそっと退室する。

ここに通っているのは涼介だけじゃないからね。そっちの様子も見に行かないと。