君と生きる世界～輝く明日を夢みて～ (ページ41)

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…

数日後。

俺は大事なことを忘れていた。

てか一番忘れてはいけなかったんだ。

何のために宏太が俺を緊急連絡先にしていたのかということ。

あいつはシングルファーザーだった。

一人っ子の涼介くんがいる。

まだ6歳でしかも手足に重度の麻痺があって自分じゃ動くことができない。

「俺にもしものことがあったらよろしく。」そう言われていたのだ。

警察から電話があって荷物を引き取りに行ったのは事故から６日後のことだった。

そこで受け取った荷物の中に宏太がスーパーで買ってきたであろう日用品の中におむつがあって思い出した。

本当に申し訳ない。

受け取った荷物を持ったまま宏太の家に向かう。

何かのために合鍵まで持ってるのに俺としたことが。

宏太が亡くなったってことに動転しすぎてた。

いるであろう和室に向かう。

慧「涼介？」

涼「こう…た…？」

慧「ううん、慧だよ。」

涼「慧ちゃん…助けて。苦しい…。こうたどっか行っちゃったの…」

ベッドの周りは宏太がやったのだろう。物が整理されていてとてもきれい。

ベッドの上はというと、涼介が動けないなりにもがいたようでぐちゃぐちゃだった。

当たり前だけどご飯も水すら飲めてないわけで。明らかに脱水だし顔色が悪すぎた。

取りあえず抱きかかえて車に乗せ病院に向かう。