君と生きる世界～輝く明日を夢みて～ (ページ33)

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涼「いたーい！！！」

お風呂場から聞こえる叫び声。

何事かを駆け付けるとシャワーをもったままで涙目の涼介がいた。

慧「どうした！？」

涼「しみる。痛い…ここ。」

首にも腕にもお腹にも無数についた赤い線。

さっき病院で相当掻き毟っちゃったからね。

俺も看護師さんも涼介を止めたけどその効果も虚しく引っ掻いた跡が痛々しい。

これは染みるよ…。

でもこれは涼介が頑張った証だから。

慧「うーん。さっと洗って出てきな。お薬あるから。」

涼「出たよー。」

慧「こっちおいで。服捲って。」

涼「きゃはは。くすぐったーい！」

慧「ちょっと！じっとしててよ。塗れないから。」

涼「だって～。意地悪してるでしょ？」

慧「してません。はい、ほら前は自分で塗って」

涼「はーい。」

…

翌日からまた0.9mlの牛乳を飲んだ。

そして1週間後に病院へ。

その時には1mlをクリアできたんだ。

そうやって少しずつ。

本当に少しずつだけれど前に進んでいる。

目標はアレルギーを克服してみんなと同じものを食べること。

達成できるのはいつになるかわからないけれど、いつまででも俺は支え続けるからね。