君と生きる世界～輝く明日を夢みて～ (ページ24)

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振り返ればこの半年は大変だった。

まず半年前。

俺の妻、つまり涼介のお母さんがこの世を去った。

スマホを開くと「涼介を迎えに行ってくるね。」そこから止まったメッセージ。

朝仕事に行くときに「行ってらっしゃい」と言ってもらって、これが最後の会話となった。

原因は交通事故。

遊びに出かけた涼介を駅まで迎えに行く途中で巻き込まれた事故だった。

信号無視をした車にひき逃げされた。

すぐに病院に運ばれたけど即死だったそう。

その日は午後から雨が降っていて傘を持たずにでかけた涼介のために傘を届けに行くところだったんだ。

そこから涼介は自分のせいだと責め毎日泣いていたんだ。

葬儀等諸々のことが終わったけど気持ちの整理なんてまだ全然できてないけど学校には通っていた。

正確には俺が無理に通わせていたんだと思う。

俺も焦っていた。

ちょうど仕事で大きなプロジェクトを任されていた時期でもあって。

休んで仕事の穴をあけることもできなくて。

既に忌引き休暇をもらっている状態だったし。

家に涼介を置いていくこともできないから毎日学校へ送り出していた。

今なら最低な父親だったと思える。

だけどその時は俺だって必死だったんだ。

涼介も学校に行った方が気がまぎれるんじゃないかななんて考えたけどどうやら俺の考えは甘かったらしい。

そこから徐々に涼介の異変が出始めたんだ。

いじめられていたことがわかってからも、涼介が話したがらないから肝心の原因がわからない。

これはおかしいって思った時には既に手遅れだった。

学校に行かず不登校に。

家でも自ら言葉を発することはなく食事もしない。

放っておいたらたぶん本当に何もしないでただ1日が終わる。

そんな感じだった。

考えるという行為すらやめてしまったんだ。