・ ページ15
…
そしてついにその日がやってきた。
宏太side
最近なんとなく涼介がソワソワしている。
何か隠してるのかな？けれど表情は穏やかだ。
んー。
以前のことがあったから涼介の気持ちの変化には細心の注意を払っているけれどそれでもわからない時がある。
なんとなく違うことを裕翔に伝え俺は家を出た。
この前みたいに泣いているわけじゃないから大丈夫だとは思うんだけどな。
裕翔side
裕「いってらっしゃい。」
裕「涼介くん、パパにバレそうだったね。いつもと何かが違うって言ってたよ。」
涼「( *´艸｀)」
涼介くんも楽しそうだ。
今日は大嫌いな吸引も泣かずに頑張った。
リハーサルもして準備はオッケー。
あとは宏太が帰ってくるのを待つだけ。
…
宏「ただいまー」
裕「帰って来たよ。準備はいい？」
パチ。
裕「おかえりなさい。」
宏「ただいま！今日も楽しかったかー？」
パチ。
宏「良かったねー。裕翔ありがとうね。」
裕「とんでもない。それより今日は何の日か知ってる？」
宏「え、今日…。あ、俺の誕生日だ。」
パッピバースデートゥユー…とBGMが流れ出す。
裕「おめでとう！」
涼介くんも拍手の代わりに手をひらひらさせている。
裕「じゃあ、ここで涼介くんからプレゼントがあります。はい、どうぞ。」と涼介くんの前にボードを出す。
小さな手がゆっくりと動きだす。
「パパ、おたんじょうびおめでとう。いつもありがとう。パパだいすきだよ。」
時間はかかったけどゆっくりと書かれた文字。
宏太を見ると泣いていた。
宏「りょうすけぇ…。ううぅ。ありがとう。すごいなぁ。いっぱい練習してくれたんだね。パパとっても嬉しいよ。」
…
妻が亡くなったあの日。涼介が難病とわかったあの日。
俺はこの先どうしたらいいのかと途方に暮れた。
男手1つで涼介を育てられるのか。正直無理なんじゃないかって思った。
でもそれは違ったね。
涼介に教えてもらうこともたくさんある。
何もかも諦めた瞬間もあったけど、できないことばかりじゃなかったね。
この1年で本当にたくさんのことができるようになった。
だから俺も涼介と共に成長していけばいいんだ。
これからの涼介の成長が楽しみだなぁ。
一緒に頑張ろうね。
「つたえたいきもち」END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りょん。 | 作成日時：2021年5月28日 1時
