たった１つだけ願いが叶うのならば…。

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…

１週間前高熱を出した。

これは副作用によるもの。

それからみるみる容態が悪くなっていた。



熱は微熱にまで下がったものの、ベッドから起き上がることすらできなくて。

起きてるのかもよくわからない意識の状態。


３日前には侑李が会いに来てなんとか会話をしていた。

けれど今の涼介から発せられるのは唸り声。

たまに苦しそうに俺の名前を呼ぶんだ。


涼「大ちゃ…。あぁ…んんっ…」

大「苦しいね。酸素少し上げようか。マスクにするよ。」

苦しそうに肩で呼吸をしている。

鼻からの酸素カヌラでは補いきれず酸素マスクに変更。

涼「いやっ。はぁはぁ。」

マスクにすれば呼吸は楽になるはずなのに口周りを覆われる感覚が嫌なのか必死に取ろうとする。

大「苦しくなっちゃうよ。ほら、手握ってあげる。」

酸素マスクを外そうとしている涼介の手を取ると今度はギュッと握り込んでしまう。


これは涼介の癖だったね。

涼介が入院してきた時、頼ったり甘えたりできる存在がいない涼介に安心できる場所を作ってあげたいと思った。

こうして過ぎた数ヶ月。涼介はどんな思いをして過ごしたのだろう。

苦しみを、痛みを少しでも和らげることはできたのだろうか。



少しでも力になれていたらいいな。

そんな思いで涼介の頭を撫でる。

涼「あぁ…んん。ううぅ…。」

大「今までよく頑張ったね。」

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