たった１つだけ願いが叶うのならば…。

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それから数日後やっと熱も下がって炎症を示す数値も下がった。

酸素マスクともおさらばすることができて、咳が出ることもなく息がしやすくなった。

いつもの病室に戻れるよって言葉を期待していたのに。

返ってきた言葉は…。



慧「骨髄検査したいと思う。」



聞きたくなかった。




涼「え…なんで？」

だって抗がん剤途中でやめたじゃん。
いつもだったら抗がん剤の効果を見るために終わってからやるのに。


慧「今の状態を確認したいんだ。」

涼「そぅ。…ん。」


ここで嫌と言えたらどんなに楽だろう。

あれは痛いんだよ。というか言葉では言い表せないくらいの辛いものなんだから。

何回かやったことはある。だからこそ逃げ出したい。



…

そんな願いは叶うわけがなく検査の日はあっという間にやってきた。


慧「横になったまま膝抱えて。もう少しギュッとね。」

涼「ん…」

ヒヤッとする消毒をされて麻酔が打たれる。

涼「んん！！痛いっ。」

骨髄を採取するための針が背中に入れられる。

麻酔が効いているから痛くはないけどぐりぐりと押されて変な感じ。

涼「あっ…。いやっ。ゔっ…」

大「涼介、動かないよ。」

近くにいる大ちゃんに身体を抑えられる。

お願いだからそんなこと言わないで。
痛くて怖くて仕方がないんだから。これでも頑張ってるんだよ。

涼「ゔっ。んんっ。はぁ…。」

慧「終わったから、このまましばらく安静ね。」

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