たった１つだけ願いが叶うのならば…。

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…あった。


個室にかかる山田涼介と書かれたプレート。

勝手に入っていいものか悩んだ末ゆっくりとドアを開けた。


入ると涼介は寝ていた。

ベッドに横たわって顔と手だけが布団から出ている。

昨日は暗かったのもあって良く見えなかったけど、涼介はの顔は真っ白だ。


他人から見れば僕もそう見えるのかな…。


僕はずっとここで過ごしてきたから外に出たことはほとんどない。

日光に当たらず生きてきた。涼介もきっとそうなんだ。


起きる気配は全くない。やることもないし起きるまでいることにした。


…

しばらくして涼介が起きるとかなりびっくりされた。

まあ、そうだよね。昨日初めて会った人が起きた瞬間に目の前にいるんだから。

涼「うわっ！え？なに。」

そんなにびっくりされるとおかしくなる。

侑「昨日のこと聞きに来た。」

涼「昨日…ああ。先生に言わなかったの？」

侑「ん？廊下の曲がり角で僕とぶつかって怪我したって言ったよ。本当のこと言った方が良かった？」

昨日のことになると急に顔が暗くなる。


涼「いや。ありがとう。」

侑「本気だったの？」

涼「まあ。でもほっといて。きみに心配されることじゃないから。」

侑「何それ。腕引っ張らない方が良かったか。せっかく助けたのに。いいよじゃあ、先生に本当のこと言ってくるから。」

涼「あ、それはっ…っう…」

急に体を起こしたと思ったら目の辺りを押さえて下を向いてしまったどうやら体調は良くないみたい。

侑「具合悪いのか。」

涼「そんなことないし。」

侑「いや、どう見たってよくないでしょ。ごめんね。言わないよ。でも友達になろうよ。」

涼「…友達。それって楽しい？」

侑「さあ。だけど涼介次第じゃない？」

涼「そう。わかった。友達になる。」

僕は嬉しかった涼介が友達になるって言ってくれて。

それに表情がコロコロ変わる涼介を見るのが楽しい。

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